第105回 初心者向けエッセイ(3)
久しぶりに初心者向けエッセイを書いてみたいと思います。
評価される小説って何だろう? ということを今回は書きます。ウェブで小説の公募をして選外であれ、佳作を獲った経験から言うとまずはキャラクターを立てましょうとアドバイスすると思います。物語の長さ・短さに関わらず読者が感情移入して物語を読む、あるいは物語のパースペクティブを感じるのはキャラクターです。このキャラクターをうまく書けたとき、一段抜けた作品が書けると思います。
私もいくつかキャラクターに関しては考えたことがあります。現在はそこまでしていませんが、佳作を獲った作品はキャラクターを意識的に立ち上げて書いた覚えがあります。キャラクターに関しては、「きちんと学びたい人のための小説の書き方講座」( https://kakuyomu.jp/works/1177354055193794270 )のキャラクター篇に詳しいです。
要点をいくつか申し上げるなら、キャラクターは(1)主人公は誰か(2)なにを求めるのか(3)なぜ求めるのか(4)なにを失うのか、得るのか(5)どのように変わるのか、の5つを基本に決めると考えればいいと思います。このような考え方のフレームワークを利用すれば誰でも物語のキャラクターを書けます。
例えば私の書いたかぐやSFコンテスト選外佳作「最果てへ走った女」という作品( https://kakuyomu.jp/works/16818023212096224324 )、では、
(1)主人公は、ランナーであるジェニィ
(2)走ること、そして賞金
(3)甥っ子のクリストファーの病気のため、治療費が必要
(4)甥っ子の命
(5)崇高なランナーからただ一つの思いを持った等身大のランナーへ
というようにフレームワークでキャラクターを考えています。これはキャラクターを考えてから執筆しているというよりかは稿を重ねながら、キャラクターを彫像していく感じに近かったと思います。なので何度も自身に問いかけて作品を仕上げていきました。
その後も「わたくし時間共有サービス、時刻差20年」「ヤタワタリの島」「宇宙の果ての場所」などの作品を書きましたが、キャラクターを書く小説ではなかったと思っています。何に注力したかは簡単に言うとSFの要素です。これらはSFの要素の書き取りに時間をかけた作品群です。SFではその部分も実は考える必要のある問題なので、時間との戦いになってしまいました。締め切りにゆとりを持つのも作品を書くときには必要ということも学びました。
キャラクターをきちん書くことが評価される小説を書くためには必要だろうと思います。ここで必要なのはきちんと自らに問いかける時間であり、いきなり初稿に手をつけないということでもあります。まず問いに意識を向けてから文章を書き出すのが良い展開を生むと考えます。
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