第30回 カクヨムコン

 KADOKAWAが運営する、このカクヨム。大手出版社が運営するだけあって、コンテストの種類が豊富です。短編のコンテストや、中編のコンテスト、長編のコンテスト、ボイスドラマの原案のコンテスト、といったさまざまなコンテストが開かれています。KADOKAWA自体が前述したとおり、ウェブ発の小説を新文芸しんぶんげいと位置づけたこともあり新文芸しんぶんげいのコンテスト、ドラゴンノベルス小説コンテストも今年で5回目になりました。


 カクヨムで活動するのであれば、やはり見逃せないコンテストがあります。カクヨムWeb小説コンテスト、通称カクヨムコンです。また同時期に開催されるカクヨムWeb小説短編賞も同じです。カクヨムコンはこれまでの連載で語ってきたように、作家にとってターニングポイントになっていることが多いのです。

 カクヨムコンはカクヨムが謳っているように日本最大のウェブ小説のコンテストです。しかしウェブ小説のコンテストは他にもあります。小説家になろうが主に運営しているネット小説大賞ですね。このコンテストは主にライトノベルを対象にしているコンテストです。カクヨムコンはライトノベルに関わらずライト文芸や角川ホラー文庫などの一般文芸も対象になっています。これは作家の向かう場所によってさまざまですし、それぞれがどこへ行きたいかでコンテストの参加は決めてみるといいと思います。


 カクヨムコンに挑戦する意義はなんでしょう? それはKADOKAWAの編集者が実際に小説を見るという点でしょう。読者選考はたしかに高いハードルです。それを超えられれば、じっさいに書籍の編集者が見るというのは大きなポイントです。ほんとうに売り物になるかを真剣に考え、検討してくれる、これだけで心強いと思います。サイトの流行も選考に大きく左右されるでしょうが、カクヨムを超えて書籍化するということは市場に出るということでもあります。厳しい世界ですが、挑戦する価値は十分にあります。


 カクヨムコンは作家にとってどんな場所になったかをお話ししましょう。私の場合はカクヨムでどんなひとがどんな作品を書いているか知るきっかけになったと思います。普段、目にするランキングやおすすめの作品、そうした分かりやすい指標しひょうはありません。カクヨムコンに参加することで確かにカクヨムには人間がいたと再確認しました。開催される自主企画、Twitterを通した交流、レビューの熱さ……作家同士のつながりを一度つよく体験しました。

 きょうも誰かが小説を書いています。それは自分のための楽しみだったり、楽しむ読者の顔を想像してだったり、いろいろだと思います。カクヨムを知るためにカクヨムコンに出てみるのもおすすめします。それはあなたの生活に灯火をもたらしてくれるでしょう。

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