第42回 創作の味方(2)

 創作で有益な情報について書いていきたいと思います。基本的にネットで閲覧えつらんできるものを選びました。

 ひとつはウィキペディアです。ウィキペディアの編集員たちが地道に記事を書いて更新している、言わずと知れた巨大インターネット百科事典ひゃっかじてんですね。情報があるものを青字で、そうでないものは赤字で表記されています。

 英語が使える人は英語版のウィキペディアもおすすめします。


 また創作の初心者はウィキペディアの「三幕構成さんまくこうせい」の欄をじっくりと眺めましょう。三幕構成は専門の本(シド・フィールドなど)を買うより、まず概要がいようを頭に入れることのほうが役立つと思います。ウィキペディアの三幕構成の概要ページは創作にはとても有用です。

 三幕構成の研究書にはIDE「三幕構成の研究」があります。これはピクシブのサービス、BOOTHのなかで通販しているものでお求めやすいかと思います(500円)。筆者はまだ買っていませんが、もうすこし小説のレベルアップしたいかたには推薦すいせんしたいと思います。私も将来的に購入を検討しています。さらにシド・フィールドの「素晴らしい映画を書くためにあなたに必要なワークブック シド・フィールドの脚本術2」はプロの編集者もおすすめしています。2をおすすめするのは2は1のバージョンアップ版だという話です。でもウェブ小説の場合はむしろ三幕構成にこだわらず書くのがいいという意見もよく聞きますので、勉強して損はない程度に構えておくと楽です。


 また公募ガイドの「小説の取扱説明書」という連載。創作者がさいしょに踏まえていてほしい視点の問題を重点的に押さえられるのでおすすめです。

 いい小説を書くにはどうしたらいいかという問いに答えてくれるものです。

 公募ガイドではこの連載とは別に「小説の取扱説明書」のPDF版も公開されているので「小説の取扱説明書 PDF」で検索してみましょう。できればダウンロードしていつでも読めるようにプリントアウトしておくのがいいかと思います。ここでは視点の基本が押さえられています。


 つづいて松岡正剛まつおかせいごう千夜千冊せんやせんさつです。

 雑誌編集者である松岡正剛の読書を公開化しているページです。毎回、各ページにはざっくりとした本の概要から、その本の論点がうまく抽出ちゅうしゅつされています。

 彼の興味は人文科学から自然科学まで幅広いので気になる本が見つかったら千夜千冊にバックナンバーがあるか? といったん検索してみることもおすすめします。

 また書籍では千夜千冊エディションが角川ソフィア文庫から出版されています。テーマごとに千夜千冊の記事を編集しているものです。学びたいひと、そして創作するひと、考え続けたいひとに、読んでもらいたいです。


 つぎは講談社ブルーバックスのネット記事です。

 講談社ブルーバックスといえばさまざまな科学やテクノロジーを新書サイズで紹介している歴史あるシリーズですね。執筆陣が書いているネット記事は面白く読んでいます。連載しているものが多く、最新科学をわかりやすく、でも深みのある内容に圧縮して紹介しています。ブルーバックスを手に取る前に予習として読んでみるのもおすすめです。SF作品を書くためにとてもいい相棒になってくれます。


 つづいて欧羅巴人名録よーろっぱじんめいろくです。このサイトでは海外の人の名前を調べるのに適しています。ヨーロッパの人名をつけるのに悩んだときに活用します。「適当に命名」機能は地味に便利です。このサイトは私もリアルの友達にも教えています。


 さいごはnoteの記事です。

 これはクリエイターがよく使っているメディアプラットホームです。創作のあれこれや学者のメモ、小説などさまざまな記事が掲載されています。一部有料記事がありますが、クリエイターの思想を知りたいひとやクリエイターの活動を応援したいひとにおすすめです。情報は断片的ですが、そこから栄養を吸収したいひとにはぜひおすすめです。


 ネットの情報は玉石混淆ぎょくせきこんこうですが、なかには有益な情報もありますので探してみてください。有効な検索の仕方を学ぶのも大切ですね。

 創作者として一歩踏み出せるように応援しております。

 また集めた情報はいつでも探し出せるようにブックマークの整理をしたり、フォルダ分けなどもしたりしたほうがいいですね。

 ここで紹介した以外にもたくさんの創作お役立ち情報がインターネットには溢れています。すこしずつでいいのでレベルアップしていきましょう。

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