54. 文章表現を磨きたい【おすすめ参考書】

真野魚尾(まの・うおお)です。小説だけでなく、エッセイやブログを書くにしても、通り一遍の文章になるのは避けたいものです。


そこで、語彙力と表現力を身につけるのに、うってつけの参考書をいくつかご紹介しようと思います。




◆『日本語をみがく小辞典』森田良行


沢山の名詞・動詞・形容詞などにまつわる日本語表現を深掘り。「目」ならば「秋波/心眼/見てくれ……」など、語源から派生語に至るまでのあれこれがエッセイ的に綴られています。



日本語は同義語や派生語が非常に豊かな言語です。それらを状況に応じて的確に使い分けたい、という方のために、以下のシリーズを挙げておきます。



◆『気持ちをあらわす「基礎日本語辞典」』森田良行

◆『違いをあらわす「基礎日本語辞典」』森田良行

◆『時間をあらわす「基礎日本語辞典」』森田良行

◆『思考をあらわす「基礎日本語辞典」』森田良行


姉妹編。普段何気なく使っている言葉の定義や、関連語の使い分けポイントなどを徹底的に突き詰めて解説。「もしかしたら/あるいは/ひょっとすると」はそれぞれどんな条件で使えて、どんな場合に言い換え可能か、など。



以上の1+4冊は、一冊あたりの項目数もかなりの量がございます。目次を見て、気になった見出しから拾い読みするか、少量ずつ読み下していくことをおすすめします。



一方で、文章単位での表現力を磨くには、以下の本をおすすめします。



◆『形容詞を使わない 大人の文章表現力』石黒圭


安直になりがちな「すごい」「かわいい」などの形容詞に頼らず、レトリックによる描写を身につけるためのガイダンス。事情の説明や感情の伝達、緩和表現など、具体的な目的意識を持った伝え方を探っていく一冊になっています。



同著者には他にも著書が多数ありますが、本稿のテーマに沿ってもう一冊だけ挙げるとすればこちらになるでしょうか。



◆『大人のための言い換え力』石黒圭


話し言葉と書き言葉、一般的か専門的か、直接表現か婉曲表現か……などなど。受け手に与えるニュアンスを考えた言い換え方を、それぞれ例文を添えながら、平易な文章で説明しています。




どの本も、文章力の向上に役立つのは勿論のこと、読み物としても興味深い内容になっています。普段から文章を書く方以外も、日本語の面白さをもっと知りたい方、まずは一冊手にとってみてはいかがでしょうか。

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