28. 最初で最後(多分)の映画トーク【映画】
真野魚尾(まの・うおお)です。今現在、映画はあまり観ておりません。
とは言うものの、かつて漫画を書こうとしていた学生時代、参考のため手当たり次第に映画を視聴していた時期がありました。
ジャンル問わず色々と観たはずですが、義務感が勝っていたせいか、内容を殆ど憶えておりません。あるいは数年間に集中して沢山観すぎたために、脳が処理しきれず記憶の底に埋もれている気もします。
そんな中でも、現在の創作活動に影響を与えるほど強く印象に刻まれている映画というのはあるものです。後年になって観た作品も含め、まずは3つほどピックアップしてみました。
◆『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』(1976・仏)
主演はジェーン・バーキン。ボーイッシュ女子とゲイの青年、激しくも儚い性愛の行方が描かれます。
退廃的な関係の美しさに魅入ってしまう一方、ユーモアにも和まされます。アレの時の声がデカすぎて部屋を追い出される天丼オチには笑ってしまいます。
秀逸なのはラストです。元々危ういバランスでしか存在し得なかった愛の物悲しさと、やっちまったなぁ~的なコミカルさが同時に襲い来る悲喜劇。とどめに「Ballade de Johnny-Jane」のピアノが重なり情緒を掻き乱されます。
セルジュ・ゲンズブール監督なので当然ですが、サントラがすごく良いです。映画の着想元となった「Je t'aime moi non plus」のメロディが作中で繰り返される度、切なさで胸が締め付けられます。
◆『スクール・オブ・ロック』(2003・米)
ジャック・ブラック主演。バンドを追い出されたギタリストが小学校の臨時教師になりすまし、生徒たちと新たなバンドを組んで大会出場を目指すコメディです。
大人から子供たちへだけでなく、子供から大人へもお互いに影響を与え合い、成長してゆく過程が素晴らしいです。その中心にあるのが、みんな大好きロック音楽の存在です。
ロックを通じた情操教育に感心させられる反面、よくよく考えると道徳的にアカンこともしまくっているので余裕でマイナスです。そんな破茶滅茶なところもまたロックなのです。
一つ印象的だったのは、宿題と称して生徒たちにおすすめCDを渡すシーンです。ロック好きにはニヤリとさせられるセレクトでした。確か鍵盤の子にはYESで、ドラムの子にはRUSHを渡していましたね。
◆『仁義なき戦い』シリーズ(1973~・日)
従来の任侠物とは一線を画する現実路線が魅力の五部作です。広島が舞台で思い出すのは『はだしのゲン』ですが、その続きというか、戦後に警察の権力が大きくなっていく様を裏側から見ているような感じにもなります。
極道としての筋を通そうとする広能(菅原文太)や、切れ者の武田(小林旭)も格好いいのですが、山守(金子信雄)や槙原(田中邦衛)の曲者ぶりも印象的でした。
真野が二作目を好きなのは、悲恋がお話の軸になっているせいもあるかもしれません。若いヤクザが辿る悲劇的な結末にはやるせない気持ちになります。ヒロインの靖子(梶芽衣子)の儚げな美しさにも見惚れてしまいます。
シリーズ通してキャストたちの貫禄が凄まじいです。時折「この人たち今の自分より年下なんだよな……」という事実を思い返してたじろぎます。昭和の銀幕スターの存在感は半端ないですね。
以下、他に思い出せる限りの作品を挙げていきます。
◇『トラック野郎』
小学校の部活遠征の高速バスで観たのは何作目だったか……ちらっと探してみたのですが見つかりません。面白かったからいっか。『仁義~』とは真逆の文太さんの魅力が詰まっています。
◇『ベスト・キッド』
1~3はよく語られますが、4は評判どうなのでしょう、女の子が主人公の。普通に楽しめた気がします。何も考えずボケーっと観ていたせいかもしれませんが。
◇『アマデウス』
サリエリの湿度高っか……これはもう愛ですね。
◇『コンスタンティン』
キアヌのやつ。面白かったことだけ憶えています。
◇タイトル不明
QUEENの伝記映画っぽいのも昔あったような……近年話題だった方とは別の。フレディがちゃんと破天荒で無茶苦茶やっていたのが好感触でした。最近話題だった方は未視聴ですが、多分健全な出来なのでしょうね。
◇『ジャンヌ・ダルク』
白黒映画とカラーのやつ(ジョボビッチでない方)を1作ずつ観た記憶。ジルドレあんな純朴な青年が後年……とか考えるといたたまれない。
◇タランティーノ作品
『パルプ・フィクション』観ました。『トゥルー・ロマンス』もそうでしたっけ? 『レザボア・ドッグス』ギャング怖いよぅ……後にスマスマでパロディコントやってたような?
◇武侠映画
沢山観ました。有名所『HERO』『グリーン・デスティニー』からタイトルを思い出せない作品まで数多く。調べようにも手がかりが少なすぎて探し出すのも困難です。台湾製?「桃太郎」翻案的なシリーズが面白かった記憶。
◇カンフー映画
ジャッキー・チェンやリー・リンチェイ(ジェット・リー)の作品も昔はTVでよく放送していましたね。それとサモ・ハン・キンポー(CV:水島裕)。様式美と勢い重視、外連味……少年漫画にも通じる良さがあります。
◇『るろうに剣心』
最初の3作は観たはずです。何かもう、アクションすごいとか、ベタな感想しか出て来ないのですが、居合の構えで刀の柄を握らず手を浮かせているのがリアルだと思いました。あと志々雄戦、原作超えてない……?
◇『サウンド・オブ・ミュージック』『風と共に去りぬ』
……などの名作も充分語り尽くされているのでいいかな、と。真野の語彙力では「感動した!」ぐらいしか言えません。
その他にもタイトルやキャスト、ストーリーが何となく……ぐらいは思い出せる作品はいっぱいあるのですが、感想が「面白かった!」「すごかった!」みたいなアホアホコメントしか出て来ないのでやめておきます。
「最初で最後」とは申しましたが、後で何か思い出すかもしれないので、念のため「多分」と付けておきました。「多分」ないんだろうなぁ……(フラグ)。
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