55. 読書歴のようなもの(4)科学から哲学へ【回顧録】

真野魚尾(まの・うおお)の『読書歴のようなもの』、四回目です。


〈前回〉

★48. 読書歴のようなもの(3)『源氏物語』からラノベまで【回顧録】

https://kakuyomu.jp/works/16817330658975712480/episodes/16817330666289744890


あまり大きな声では言えませんが、この時期の真野は本来の学業をおろそかにして、図書館や本屋に入り浸っていました。




◆科学:信じる者はすくわれる


セガサターン回で取り上げた『YU-NO』をきっかけに、真野は量子力学に興味を持ちます。岩波文庫の朝永振一郎『量子力学と私』に始まり、講談社ブルーバックス、学研ムック「最新科学論シリーズ」などを買って読み漁っていました。


現在は理系方面とは距離を置いてしまっているので、最新の科学事情は分かりません。ただ、詰め込んだ知識を元に類推するぐらいはできるので、当時の乱読も無駄ではなかったと思っています。


何よりも、科学というのは信じる/信じないの話ではなく、蓋然性とか再現可能かによって論じられるべきものだと理解できたことは大きな収穫でした。


創作への影響としては、SF要素を扱うようになった点が一つの変化です。また、ファンタジーにおける魔法にも法則性を求め、エネルギー保存則も強く意識するようになりました。




◆哲学:入門できませんでした


科学に興味を持った以上、避けては通れないのが哲学です。ただし真野はおつむの出来が良くないので、とりあえず入門書的なものを適当に拾い読みして、歴史や概要を知るのが精々でした。


ヘーゲル、カント、ニーチェ、ヴィトゲンシュタイン辺りをぼんやりと把握しつつ、実存主義とか構造主義以降になってくると頭が置いてけぼりになります。分かるような、分からないような、理解があやふやです。


バートランド・ラッセル『哲学入門』←これタイトルがいけませんよね!? 初心者向けかと思って軽い気持ちで読み始めたら見事に挫折しました……無念。


そんなわけで、これ以上の語り得ないことに関しては沈黙しようと思います。




書けることはまだ残っていますが、無理に詰め込むと長くなりそうなので、一旦切り上げます。最終回は、ルポルタージュその他について振り返る予定です。

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