今回は5作品、すべて単行本の感想です。

◆『声がだせない少女は「彼女が優しすぎる」と思っている』〈完結〉(13)矢村いち

初めて見る音（おと）ちゃんの表情がいっぱいの最終巻。お互いの名前を呼び合う音ちゃんと菊（きく）乃（の）、尊さMAXで読者も習（なら）志野（しの）さん状態。誕生日会計画、日（ひ）影（かげ）さん正解です。182話の表紙すき。185話見開きからの告白（だいすき）、最高すぎます……!!

描き下ろし非常にたすかる。ルームシェア……つまり同棲……すなわち将来的には結婚であると私は解釈しました。百合過激派は見逃しません。何となく音ちゃんの方がリードしそう（ツンデレ受け萌え）。

◆『見える子ちゃん』(10)泉朝樹

一（いち）条（じょう）姉妹の真実、ミスリードの上手さに脱帽。演出の勝利ですね。歪んでしまった心を救う真っ直ぐな思い。信じ合うみこハナの尊さに号泣し、ロムさんサイドのガチホラーに号泣し、久々の豪（ごう）塚（づか）さんエピで号泣……情緒がせわしない！

◆『となりの信國さんは俺のことが好きな気がする』(6)安田剛助

海編の青春模様が眩しい。あけすけな結（ゆい）菜（な）ちゃんは自分の弱みだってさらけ出します。その真心は信國（のぶくに）さんにも伝わったはず。佐々木（ささき）君との合流後はラブコメの波動も急上昇。幼なじみと尾道での再会。こんな引きで次巻へ続くですと!?

◆『堕天使論』〈完結〉(3)くろは

文字通り「天使」なヒロインとのギャグ度高めなラブコメ。ウザ可愛いミミエルの聖書ジョークがいちいちツボります。前作に続いて今作も唐突にいい話になって終わってしまった……。こってり風味に爽やかな後味の佳作でした。

ところで第29章には前作『有害指定同級生』の二人がカメオ出演しています。あちらもノンストップお下劣ギャグが人を選びますが、最終的にはとても尊い迷作百合コメでした。次回作にも期待です。

◆『アスミカケル』(3)川田

太（たい）賀（が）にしても檻（おり）野（の）にしても短い描写で人物背景を伝えるのが上手すぎ。兄→弟の感情が想像以上に重ッ！　21話神演出。試合後はみんな清々しい。『火ノ丸相撲』からはあの父娘も登場。眼鏡過激派二兎（にと）に心から同意！

黒沼（くろぬま）さんつらすぎる……。カラオケルームでのキ◯肉マン、ではなく勝利者インタビュー。奈央（なお）さん良いヒロインだぁ。試合から人間ドラマまで読ませてくれる作品。次巻完結までしっかりと見届けたいです。

好きな作品が終了してしまったり、終了が決まっていたり、寂しい思いも確かにあります。でも、ファンならばいつだって、いつまでだって、迷わず「好き」を言い続ければいいのだと、私は信じています。

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