前のエピソード――79. 新刊漫画選り好み！(18)『声カノ』『堕天使論』完結ほか【漫画】

尽きせぬ探究心。

◆『雄！マスラオ学園』〈完結〉(4)車戸亮太

全変態紳士淑女におすすめしたい怪作にして名作、最終巻。副（そえ）武（む）くん×笑（え）顔（がお）くん、攻守交替から明かされる秘密。そして突然のクーデター。学園長の過去、ピーマン克服かわいい。春親（はるちか）くん本領発揮でフィニッシュ（二つの意味で）。

強くなるのは簡単だが優しくなるのは難しい、弱者の気持ちを忘れぬマスラオであれ――素晴らしい言葉を残しての大団円。本当におつかれさまでした。

◆『メスガキのいる喫茶店』〈完結〉(4)MIGCHIP

タイトルの割に意外と健全な良作コメディ。登場人物も増え、人間模様が交錯して深みが出てきたところで惜しまれつつ完結。ザコ五人衆が皆個性的で他キャラとの化学反応が楽しかったです。エムさんと鈴木さんザコくて大好き。

ヒロインは天然物みおちゃんがお気に入り。お嬢様な真央（まお）さんも反応がお強くて面白いです。ほんのり漂うゆる百合感も結構なお手前でした。あとがきでハッとしたのですが、もしや「エム」さんは作者様の分身……？

◆『淫獄団地』(6)搾精研究所/丈山雄為

カオス・コントローラーの既視感。「暗殺特化の人妻」「団地の深淵」など、今後の人生で使う機会がないであろうワードの数々にも打ちのめされます。あたおかなのに物語の骨子は真っ当に面白いのがつくづく悔しいです。

表紙のヌマジリ・キリタニを始め、随所から滲み出る百合の波動も持ち味です。思えば、原作者様の過去作に巡り合ったのも、数年前に百合クラスタで某同人作品が話題になっていたのがきっかけでした。今ではすっかり虜（とりこ）です。

◆『ざーこざこざこざこ先生』(4)ぜろよん

催眠先生イケメン！　周回遅れの湯津（ゆづ）上（がみ）をよそに、渡（わた）良瀬（らせ）・喜（き）連川（つれがわ）・白（しら）井（い）さんのヒロインレースは白熱。その裏で発露する青（あお）名（な）ちゃんの狂気。歩きタバコおじさんのスピード感は草。ひょっとして真のヒロインは鬼塚（おにづか）先生なのでは……？