58. 振り向けば『ゲゲゲの鬼太郎』6期〈前編〉【アニメ感想】
真野魚尾(まの・うおお)です。好きな妖怪はキキーモラです。
真野が『ゲゲゲの鬼太郎』に出会ったのは、小学校の頃に放送されていたアニメ第3シリーズでした。幼かったので内容は曖昧ですが、OP曲が吉幾三の歌だったのははっきりと憶えています。
それ以外で『鬼太郎』に触れたのは、ウエンツ瑛士主演の実写映画ぐらいで、原作の知識は断片的です。そんなにわかファンの真野が『鬼太郎』との再会を果たしたのは、アニメ第6シリーズ(以下「6期」)でした。
◆『ゲゲゲの鬼太郎』6期 (2018年4月~2020年3月)
原作を尊重しつつ、時勢を取り入れた作風には深いメッセージが……とか小難しいことはさて置き、優れた脚本・演出を筆頭に、エンタメとして完成度の高い作品だと感じました。
まずは手始めに、全97話のうち真野が特に心に刺さった話数を挙げていきたいと思います。
◇個人的傑作選〈前編〉
前半は「名無し編」完結となる第49話以前から、計10話を厳選しました。
★第6話「厄運のすねこすり」
母子の絆の裏には、まさえさんとシロとの通じ合う想い……涙です。
★第9話「河童の働き方改革」
序盤屈指のギャグ回。いそがしの活用法に感心。尻子玉!
★第14話「まくら返しと幻の夢」
ノスタルジーは未来へ踏み出す糧としなきゃいけませんよね。目玉おやじイケメン化も必見でした。
★第15話「ずんべら霊形手術」
世間の言う正しさに惑わされず、あくまで我が道を行くきららは、とても気高い精神の持ち主だと思います。思い返してみてください。外見の変化にかかわらず、彼女の生き方は終始一貫しているのです。私は尊敬します。
★第23話「妖怪アパート秘話」
昭和ノスタルジーもさることながら、妖怪たちと夏美さんとの絆に胸がいっぱいになる感動回でした。
★第31話「小豆洗い小豆はかり小豆婆」
流行に左右される社会をコメディタッチで風刺。二転三転する展開の妙にしてやられます。目的と手段を取り違えちゃダメ。懲りないねずみ男の安心感。
★第39話「雪女純白恋愛白書」
鬼太郎たちも巻き込んでのドタバタ異種間ラブコメは演出も相まって見どころ満載。お母さま……なオチには畏怖すら感じます。
★第40話「終極の譚歌 さら小僧」
芸人という生き物の業をまざまざと見せつけられたホラー回。真に恐ろしいのはどちらなのか。人の命は短い、だからこそ。
★第43話「永遠の命おどろおどろ」
不死の呪い。正しさだけでは救えないものもある真実は、消えない余韻を残します。シリーズ最終盤での美琴再登場には驚かされました。
★第49話「名無しと真名」
まな×ねこ娘、ねずみ男×鬼太郎、それぞれの真骨頂を示したクライマックスに大満足です。とはいえ、ヒロインにあんな重責を背負わせるとは……本当に容赦がないシリーズだなと痛感させられました。
他にもあれもこれも……挙げ始めるとキリがないです。余裕があれば後編で言及するかもです。
◇6期鬼太郎は百合
またもや暴論失礼。しかし、何の気なしに観始めた6期の視聴継続を決定づけたのが、シリーズヒロイン・犬山まなと、ねこ娘のイチャコラ(主観)にあったことは厳然たる事実です。
第2話時点で「ねこ姉さん」「まな」呼びですよ!? スピード感! 異種間百合、疑似姉妹、身長差……怒涛の属性付与でクリティカルヒット連発されてはK.O.必至です。
加えて、事あるごとにお互いを気にかける描写の積み重ねを、各話の本筋とは関わらないカットにさり気なく織り交ぜてくる抜かりのなさ! 少しは手加減してくださいと言いたくなります。冗談です。しなくていいです。
それと、前項で拾いきれませんでしたが、第27話~第37話まで断続的に続いた西洋妖怪編にも注目です。新ヒロイン・アニエスとまなの交流には心を洗われましたし、姉アデルとの姉妹愛も実に美しく。納得の大団円でした。
取りとめなく、後編へと続きます。
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