113. 気まぐれ積み本崩し(6)『スケバン刑事』リメイク&スピンオフ【漫画】

真野魚尾(まの・うおお)です。

しばらく積んでいた新装版『スケバン刑事』を今になってゆっくり読み進めています(これを書いている時点では第二部の途中まで)。


旧版は小学生か中学生の時に読んだことがあったような気がします(曖昧)。実写ドラマやOVAも出ていましたね(こちらは確かに観ました)。

いずれも断片的な記憶しかないので、懐かしさ半分、新鮮な気持ちが半分といったところです。


そんな『スケバン刑事』のリメイク/スピンオフが令和になって発表されていましたので、原作と並行して読んでみました。



◆『Re:スケバン刑事』(1)~(4)和田慎二/福井あしび


名作のリメイク版。舞台は昭和のままですが、令和仕様の麻宮あさみやサキはスカート丈が膝上。地獄城は飛ばして、一億円事件と3匹の蛇編終幕までが4巻までの内容です。


時代に合わせて表現もマイルドになるかと思いきやそうでもなく、づち三姉妹の外道ぶりは据え置き。粗のあった描写は違和感なく改変、伏線も整理されて読みやすくなっています。


未単行本化の連載の方では「緑の消失点」「無法の街」がカットされ「朝焼けの非常線」に続いており、また「ふたたび地獄城」も大きく改変・短縮されています。




以降のスピンオフ2作品は完結していますが、単行本化されているのはストーリーの途中までです。




◆『時をかけるスケバン刑事』〈完結〉(1)~(3)和田慎二/室長サオリ


内気な長身空手JKが昭和にタイムリープ、麻宮あさみやサキと肩を並べて事件を解決します。以後も令和と昭和を行き来しながら黒幕へと迫る、少女漫画タッチの学園ミステリです。


主人公トモエがとにかく可愛いです。そして強い(物理的に)。普段は気弱なのですが、熱い正義の心を内に秘めていて、主人公としての資質は充分です。サキとのほのかな百合関係も見逃せません。


脇役では、空手部の西にし部長がユニークな立ち位置をしています。サングラスの男も二つの時代をつなぐキーパーソンです。それと忘れてならないのが委員長。あの時点では単なるチョイ役と思っていたんですよね……。


以下は単行本未収録分、第15話以降の雑感です。


3巻では未解決の八百長事件は17話で急転直下。くろ×灰崎はいざき尊い……。

黒幕へと迫る第20話ではサキ×トモエがああありがとうございます!!!!!!!!

続く最終話、校長の正体に気付いた時の感動たるや。心を揺さぶられるとても素敵な作品でした。トモエちゃん大好きです。




◆『スケバン刑事Pretend』〈完結〉(1)~(3)和田慎二/細川真義/猪原賽


舞台は原作と同じ鷹の羽高校in令和。三人のJKが魔法少女≒スケバン刑事に変身、暴走する生徒たちの悪意をヨーヨーで打ち砕きます。麻宮あさみやサキはマスコット妖精ならぬ守護霊ポジションに。


発想こそかつてのTVドラマ版以上にブッ飛んでいますが、キャラ名や設定には原作のモチーフが随所に織り込まれていて、ファンをニヤリとさせてくれます。


例えば、凶暴化した生徒に蛇のマークが浮かび上がったり、主人公たちの前に立ち塞がるのがみず≒ミズ◯レ◯だったりといった具合です。サキのライバルといえばあの人しかいませんよね。


味方側では、協力者のびら三平さんぺいを意識しているかもしれません(川→三)。ちなみに、ぬま先生も回想でほんの少し出演しています。


本作も完結済みながら、第16話~最終25話までは単行本未収録。コミュ強主人公の信念が最後までブレなかったのと、玲衣×梨花りかの波動を感じたのが良かったです(そればっか)。




なお、以上3作の未単行本化部分は、現在のところWEB漫画サイト「チャンピオンクロス」や「ヤンチャンWeb」に掲載されています。

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