18. うろおぼえ『闘将!!拉麺男』【漫画感想】
真野魚尾(まの・うおお)です。
幼い頃、新しい漫画との出会いといえば、友人関係以外では町の食堂や近所の床屋さん、歯医者の待合室などに置いてある本棚だったりしました。
そんな中に、どこで出会ったのかまでは正確に憶えていませんが、不思議と引き寄せられる作風の漫画がありました。
◆『闘将!!拉麺男』ゆでたまご
『キン肉マン』の人気キャラクター・ラーメンマンが古代中国を模した幻想世界を舞台に活躍するスピンオフ作品です。
◇前置きン肉
『キン肉マン』自体も当時アニメ化されたメジャーな作品でした。あだ名がラーメンマンやウォーズマンの子どもも1クラスに1人はいたんじゃないかと思うほどです。
実際に真野が読んだり観たりしたのはほんの一部分ではありますが、そんな中でも印象に残っているエピソードがあります。
それが、超人たちに混じってたった一人奮闘する人間・ジェロニモの勇姿です。ひょっとすると幼心に判官贔屓を芽生えさせた張本人だったかもしれません。
◇ビクトリーとかマーキュリーとか
さて本題の『闘将!!拉麺男』です。「たたかえラーメンマン」と読みます。こちらのラーメンマンは
何て大仰な名前でしょう。この時点で、漢字憶えたての小学生マインドはワクワクです。
それに加えて、ジャッキー・チェンの映画などで慣れ親しんだ昔の中国っぽい世界観にも魅了されっぱなしでした。
超人一〇二芸なるカンフーアクションの技は、音読み・訓読み・カタカナ読み(当て字)の混在した外連味たっぷりなネーミングで、思わず声に出して叫びたくなります。
「
◇究極のライヴ感
武術の達人が各地を旅して悪を挫き、義によって弱者を助ける物語。『北斗の拳』とともに、真野が武侠好きとなるルーツであったかもしれません。
その
思い悩んだり、泣き喚いたり、キレ散らかしたり、結構メンタルブレブレで情緒不安定です。可愛い。
キャラ以前にストーリーの方も整合性無視のガバガバ展開だったりします。
以前倒したはずの悪役が生き返ったり、腕が生えてきたり、何の説明もなく味方になっていたり、ツッコミどころ満載です。
しかし、そんな矛盾やご都合を上回る強烈な勢いと凄みによって、しっかりと面白いエンタメに仕上がっているのです。流石は漫画誌に名を刻む巨匠のお仕事です。
◇きっと内功とかの力が働いてるやつだから……(汗)
現存する武器や拳法を下敷きに、エキセントリックな発想を掛け合わせた多彩な技の数々には、よくぞここまでと感心させられます。
特に拉麺男の決め技である「
これは念力によって実体化した虎を飛ばす攻撃で、『ジョジョ』のスタンドに数年先駆けた超能力の具現化例と言えるのではないかと思います。
ただ一方で、外連味を追求した結果なのか、物理法則的に相当無茶な技もいくつか……いえ、結構沢山あります。
その極致は何と言っても
普通どう考えてもバラバラに飛び散りますが、作中ではちゃんと敵に向かって破片が飛んで行きます。
当時子供目にも「そうはならんやろ……」と思っていましたが、現在では一周回って「そうでなくては!」と思えるようになりました(洗脳済み)。
◇諸国世直し漫遊記的な
各エピソードに込められた教養や教訓も割と豊富だった印象です。
筋肉拳
毒手の使い手・
「十の実力しかない相手を百の力で叩き伏せては恨みを買う、こちらも十の力で相手をするべき」は時と場合によるのでしょうが、謎の説得力がありました。
各話の冒頭や終わり際に付くナレーションの語り口も、どことなく時代劇風で味がありました。
◇おらウスノ□じゃねーだー!
メディア展開もありました。日曜の朝にアニメが放送されていたのは憶えているのですが、残念ながら内容はあやふやです。
ファミコンソフトも遊んだことがあります。当時小学生、それも鈍くさい真野には当然自力クリアは無理でしたので、アクションゲームの得意な友だちのプレイを横で眺めていました。
ともあれ『
もし街中でひったくりに遭った時は「
叫びたい技名:
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