112. ファミコン風雲録(終)『スーパーマリオブラザーズ』ほか多数【回顧録】

真野魚尾(まの・うおお)です。ファミコン談話の3回目は、お友だちの家で遊んだり、貸してもらったソフトにまつわる思い出をとりとめなく語ります。



◇お隣さんでした


真野にコロコロ・ボンボンを読ませてくれた友人は、ツインファミコンの所有者でもありました。かのディスクシステムが内蔵された機種です。

ディスクシステムでは『ファミコン探偵倶楽部』や『新鬼ヶ島』をプレイしているのを横で見せてもらっていました。


ノーマルのファミコンソフトでは『アイスクライマー』や『エキサイトバイク』を一緒に遊んだりもしたような。後者はカセットを借りて、お家で走行コース作りを楽しんだりもしていました。


『ドンキーコング』『マリオブラザーズ』はファミコン初期の定番ですね。

『プーやん』『ボンバーマン』も楽しんだ思い出があります。

『バンゲリングベイ』『ロードランナー』は難しかったイメージです。



◇カセット貸し借り


『迷宮組曲』はタイトル画面に連射速度を測る機能?が付いていました。10秒間ボタンを連打した数字が隅っこに表示されるのです。ゲーム本編そっちのけでアホみたいに連打していました。アホみたいではなくアホでした。


『ポートピア連続殺人事件』は今でこそネタバレの定番ですが、リアルタイムで犯人の正体を知った衝撃は相当でした。押しボタン式電話がヒントの「こめいちご」は、当時の家電いえでんがダイヤル式の黒電話だったのでピンとこなかった思い出です。


『ドラえもん』『オバケのQ太郎』『忍者ハットリくん』『ゲゲゲの鬼太郎』など、おなじみの漫画/アニメのゲーム化には心躍りましたが、アクションはやっぱり苦手でした。


シューティングゲームの『グラディウス』『沙羅曼蛇』はゲームそのものよりも、後年になって音楽好きの友人に借りたサントラCDが思い出されます。


とりわけインパクトが強烈だったのが『バイオ戦士DAN』。いかつい宇宙人と何故か押し相撲をするシュールなシチュが忘れられません。



◇マ◯オにまつわる苦い思い出


今や伝説の『スーパーマリオブラザーズ』は当時大人気で入手できず。運良く買えた近所の友だちが一度だけ真野の家に持って来て、遊ばせてくれたところまでは嬉しかったのです。

しかしその直後、真野は家の手伝いで親に連れて行かれます。その間にしびれを切らした友だちは帰ってしまい、涙を呑んだのでした。


一方自前で持っていた『レッキングクルー』。こちらのマリオはビル解体業者でした。ステージエディットがとても楽しく、なじみの友だちから初めて来るクラスメイトまで交えてワイワイと遊んでいました。

ところが後日、いつの間にかカセットが家からなくなっていました。真相は闇の中です。



◇ファミコン交遊録


友だち伝手づてで訪れたクラスメイトの家には「ファミコンロボット」がありましたが、どんなゲームだったのか記憶が残っていません。それとは全然関係のない『ポパイの英語遊び』を楽しく遊んだ思い出だけがあります。


幼稚園からの知り合いだった子の家では『ギャラクシアン』を遊びました。タイトル画面でリセットボタンを連打すると音楽が流れる裏技がありました。「シバの女王」や「ナウシカ」の曲が聴けたはずです。


『グーニーズ』は映画の方も観ていましたので、シンディ・ローパーの曲が再現されたBGMには胸が弾みました。


『トランスフォーマー コンボイの謎』は、スタート直後のフラッシュ演出で目がチカチカしたことだけ憶えています。


それから、友人が持って来た『ぎゅわんぶらあ自己中心派』を通して麻雀の基本ルールを教えてくれたのも、忘れられない出来事の一つです。



◇禁じられた「遊び」


ファミコンはアナログなメディアでしたので、カセットが本体にきちんと挿入されていないと、画面や音声、時にはゲームの挙動そのものがおかしなことになったりします。


ある時期に悪友たちとの間で、本体の端子部分に十円玉やらハサミやらを突っ込んで強制的にバグらせるという、危険な遊びが流行り出します。


真野はおバカなので、加減を考えずに繰り返して、見事本体をぶっ壊しました。修理先の話では、基盤が真っ黒に焼け焦げていたそうです。良い子は絶っっっ対に真似してはいけません!




他にも『アトランチスの謎』『スターソルジャー』『スペランカー』『悪魔城ドラキュラ』『ドラゴンバスター』『カラテカ』『スパルタンX』『ファミコンジャンプ』『けっきょく南極大冒険』……枚挙に暇がありません。


ともかくも、幼き真野の情操教育に大きく寄与したファミコンの思い出は、分かち難き血肉となって、数十年経った今の創作活動にも影響を及ぼしていることだけは確かです。



(おわり)

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