107. ファミコン風雲録(2)『マドゥーラの翼』『高橋名人の冒険島』ほか【回顧録】

真野魚尾(まの・うおお)です。ファミコン語りの続きに参ります。



◇ビキニアーマーは正装です


昭和の時代にはまだ珍しかった、最前線で勇ましく戦うヒロインたち。そんな憧れの存在になりきって冒険する夢を叶えてくれたのもファミコンでした。


横スクロールアクション『マドゥーラの翼』は、主人公ルシアが剣を手に駆け回る姿が子供心に深く刻まれました。鮮烈なメロディと軽快なリズムに彩られたBGMもはっきりと記憶に残っています。


アクションRPG『ワルキューレの冒険』の主人公も剣と魔法を操る凛々しいヒロインでした。ただ、ゲーム内に冒険を進めるためのヒントが非常にとぼしいこともあって、早々に挫折してしまいました。

余談ですが、当時コミックボンボンで連載の『ファミ拳リュウ』(※)にワルキューレが登場していた回がありました。解毒剤を口移しで飲ませるシーンにドキドキしたのを憶えています。


※同誌『ファミコン風雲児』やコロコロコミック『ファミコンロッキー』も、同じ近所の友人宅で読ませてもらっていました。



◇小学生の限界……頭脳編


真野はアホの子なので『アイギーナの予言』『ドアドア』などの頭脳を使うゲームは苦手でした。特に前者は意味が分からなすぎて、全クリどころか1面すらも進むことが叶いませんでした。


「キャサリン」登場の推理ADV『山村美紗サスペンス 京都龍の寺殺人事件』も子供の知力では難しく、全くお話を進められませんでした。

悪友に誘われて中古屋へ持って行った(※当時は身分証確認などされなかった)際、お店の怖いお兄さんに「300円」とすごまれ、断れずに手放してしまいました。



◇小学生の限界……アクション編


真野はアクションも苦手ではあったのですが、『イー・アル・カンフー』『マイクタイソン・パンチアウト!!』などは1対1のパターンゲーだったので、過集中状態で突き進むという力技が可能でした。特徴的なBGMが両作とも耳に残っています。


★イー・アル・カンフーBGM

https://open.spotify.com/intl-ja/track/4OGhJeesGoSMwMEatOUU6L?si=2005ac2988c045fb


横スクロールアクション『高橋名人の冒険島』は、真野のような下手っぴでも楽しくプレイでき……たと思ったのも束の間、途中から難易度が格段に跳ね上がるので、『聖飢魔II』をクリアした友人ですら挫折してしまいました。

一方で、やはりBGMの出来は素晴らしく、キャッチーなメロディに適当な歌詞を当てはめ、友人と一緒に口ずさみながら遊んでいたのはいい思い出です。歌詞の内容は褒められたものではありませんでしたが。



◇そしてロールプレイングゲーム


『MOTHER』にはアメリカンドラマや映画の小ネタが散りばめられていましたね。久美沙織先生の小説版にも心躍らされました。

ムーンライダーズの鈴木慶一氏手掛けるBGMも秀逸です。旅の先々で集めたメロディの断片が、ラスボス戦で完成するカタルシスは、何物にも代え難い感動を与えてくれました。


★『MOTHER』(1989)※11曲目がゲーム音源のメドレー

https://open.spotify.com/intl-ja/album/0nJMvM3LNPMWuOuVOPK8xw?si=xIlU0L6OQXGj70tDcqCkyg


ギリシャ神話を元にした『ヘラクレスの栄光』は硬派な作風でした。「おびただしい流血!」で始まるゲームオーバー時のメッセージが、文学的で深く印象に残っています。


RPGの金字塔『ドラクエ』『FF』両シリーズについては、いずれ別項を設けて語りたいと思っています。



(つづく)

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