【単行本】

◆『私の百合はお仕事です！』(13)未幡

推しの単独表紙だヤッター！と無邪気に喜んではいられない重い幕開け。果乃子（かのこ）ちゃんの口から語られる過去話で、陽芽（ひめ）ちゃんへの想いがどうしてここまで拗（こじ）れていったかが明かされます。

愛ゆえに身を引く決意を固める純（すみ）加（か）さん。その選択は巡り巡って果乃子ちゃんを前へ進ませます。追いかけっこ陽芽ちゃんがとても眩（まぶ）しいです。「ひめちゃんに向かっていく」果乃子ちゃんのこんな表情が見られる日が来るとは。

思えば美（み）月（つき）と陽芽ちゃんも、寧々（ねね）さんと純加さんも、本音をぶつけ合ったからこそ、より良い関係になれたのですものね。いよいよ果乃子ちゃんの番が巡って来たということなのかもしれません。

それにしても、純加さんは本当に素敵な女性ですね。好きです（突然の告白）。カバー裏の表情とポーズ、とてもいいです。そして描き下ろし、やっぱり果乃子ちゃんのこと大好きなんですよね。安心したような、切ないような……。

◆『バトゥーキ』(17)迫稔雄

満たされてしまった一（いち）里（り）は渇望し続けるアグリに勝てないのか。分岐点はメストレ・ブスカペの再登場。最初期からの読者にとってまさに歓喜（アレグリア）の展開です。喜びの伝染。姉妹愛尊い。一方で純（じゅん）悟（ご）サイドの行方が気になりすぎます。

◆『テンカイチ日本最強武芸者決定戦』(8)あずま京太郎/中丸洋介

服部半蔵（はっとりはんぞう）VS佐々木（ささき）小次（こじ）郎（ろう）も決着へ。嘘と搦（から）め手は忍者の本領。完璧な戦闘人形に生じた胸のざわつき。こんなにも泥臭く熱い仕合になるとは誰が予想したでしょうか。合戦の裏で謀（はかりごと）を巡らす明（あけ）智（ち）光秀（みつひで）の動きにも要注意です。

【連載】

◆『ドラゴンクエストダイの大冒険勇者アバンと獄炎の魔王』三条陸/芝田優作

第38話。前作そしてドラクエ1へのオマージュが素晴らしい。アバンは皆の理想を体現する真の勇者ですね。あくまで独善的な価値観ながら、ハドラーもそれを最大限に認めているのも感動的です。いずれ訪れる彼の最期を思えば尚のこと。

◆『金色のガッシュ!! 2』雷句誠

Page 18、ブラゴ呪文要らなかった！　ガッシュ清麿（きよまろ）組のラシルド応用も何気にすごい。続くPage 19はブラゴの成長も頼もしいですが、シェリーが覚悟も身体能力も判断力も極まって素敵。二人は本当に最高のパートナーですね。

◆『イジらないで、長瀞さん』ナナシ

第143話。勝負を経て今一度お互いと向き合う先輩と長瀞（ながとろ）さん。表情による心理描写の表現力はラブコメ作品の中でも際立っています。第1話との対比、さらには13年前Pixivに投下されたラフへと回帰する展開がとても感慨深いです。

◆『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い！』谷川ニコ

喪220。智（とも）貴（き）がネモの本質を見抜きすぎて怖い。うっちーのガイドに目が行きがちですが、もこっちに寄り添う明日香（あすか）さんの表情にガチ感があるのを百合好きは見逃さないと思います。きーちゃん、もはや黒幕の風格……！

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