90. ドリームキャストに見た夢 (3)『エターナルアルカディア』ほかRPG&SLG【回顧録】

真野魚尾(まの・うおお)です。以前に語ったセガサターン以上に、このドリームキャストもロールプレイングゲームに恵まれているとは言い難いハードでした。


ただ、数こそ少ないながらも、真野にとって思い出深い作品があったのは事実です。



◆王道こそ名作への近道~RPG


◇『エターナルアルカディア』


飛空船で自由に空を駆け回る「空賊」にスポットを当てたファンタジー活劇です。同業者や官軍を振り切り、魔物や古代兵器を蹴散らし、前人未到の空域へと挑む冒険感は、他では決して味わえません。


主人公のヴァイスは、どんな苦境にあっても折れない不屈のメンタルが最高にヒーローしていて、とても好感が持てます。


幼馴染みのヴァイスのため甲斐甲斐しく振る舞う元気娘アイカと、孤独な境遇で健気に頑張る清楚なファイナ。最後まで冒険を共にするダブルヒロインも非常に魅力的でした。


RPGといえばバトル。白兵戦だけでなく、飛空船同士や巨大兵器との砲撃戦も本作ならではの楽しみです。実際には選択肢の限られたパターンゲーながら、プレイヤー自らの手で勝利を掴み取ったと感じさせる作りが見事でした。


他にも、世界各地で珍しいオブジェクトを発見する収集要素や、非戦闘員を集めて本拠地を発展させていく育成要素にも胸をおどらされました。


王道の少年漫画的ロマンあふれる名作『エターナルアルカディア』。真野的に『グランディア』『幻想水滸伝II』に次ぐ最高峰のファンタジーRPGであると、ここに断言します。



◇『グランディアII』


明るい冒険活劇だった前作に比べ、ひねりの利いた二作目。シナリオの上でも、二律背反の状況や、必ずしも全てが救われないビターな展開が暗い影を落とします。


個人的には、戦士マレッグと自動人形ティオの師弟関係が忘れられません。自由意志とは「自分自身がマスターとなること」。道標をのこし死地へ赴いた古兵ふるつわものの姿は、役を演じられた故・郷里大輔氏の声とともに、今も深く心に刻まれています。




◆その他シミュレーション系


◇『BLACK/MATRIX AD』


S-RPG。セガサターン版のリメイク拡張版です。キャラデザが大きく変更され、特にサブキャラは似ても似つかないレベルになってしまいました。密かにお気に入りだったパリティの豹変はショックで……わかる人は少ないかと思いますが。



◇『ハンドレッドソード』


RPGではなく戦略&戦術系。かつて大陸を血で染めた帝国の末裔が、先祖の罪と向き合う重厚なシナリオに惹き付けられたものの、鈍臭どんくさい真野はリアルタイム戦闘が無理ゲーすぎて最初のステージで詰んでしまいました(嗚咽)。




何とも締まらないオチになってしまい、申し訳ございません。次なるドリームキャスト談話は、アドベンチャーゲームについて語ります。

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