74. 追憶のMSX(終)おもちゃ箱『ディスクステーション』【回顧録】
真野魚尾(まの・うおお)です。MSX回想録も今回で最終回となります。最後は特に思い出深い『ディスクステーション』について語りたいと思います。
◆『Disc Station』
後に『ぷよぷよ』を生み出したことで有名な会社・コンパイルが発売していた雑誌形式のソフト、いわゆる「ディスクマガジン」です。
ちなみに真野が初めて買ったのは1989年12月発売の第8号でした。スキーを履いた青髪の美少女サンタが表紙&タイトル画面の号です。
◇見るもの全てが新しかった
文庫本サイズのパッケージにフロッピーディスクが2枚、毎号2000円足らずで買える、小中学生のお財布にも優しい優良ソフトです。
中には映像やミニゲーム、イラストなどの投稿コーナー、他社ゲームのデモや体験版まで様々なコンテンツが盛り沢山でした。毎月何が登場するのだろうと胸を躍らせていたのを、昨日のことのように思い出します。
ディスクを起動すると、おなじみのテーマ曲がブラウン管モニターのスピーカーから流れてきます。
★『ディスクステーション』タイトルテーマ曲
https://www.youtube.com/watch?v=2fhyTsA7gIc
毎月のタイトル画面も懐かしいです。2、3年ほどのお付き合いでしたが、とても濃密な時間だったように思います。
◇BGV (Back Ground Video)
ゲームのように複雑な操作も要らず、ゆったりとした気持ちで画面を見守る、観賞用コンテンツです。毎号、季節にちなんだ趣向が凝らしてありました。
中でも特に印象に残っているBGVを2つほどご紹介します。
★「雨」(3:38)
https://www.youtube.com/watch?v=G6GfC0VhXco
「G線上のアリア」をBGMに、降り続く雨を窓から見つめる姉弟。あじさい、カエル、てるてる坊主……とても風情があって、今観返しても感傷を誘います。
★「おばけらった~はうす」(3:01)
https://www.youtube.com/watch?v=oow3EKvyeYI
☆隠しモード「おんなのこ」「め」(3:02)
https://www.youtube.com/watch?v=rB3uE00KLa4
一つ目おばけをクリックして様々な反応を楽しむホラーなコンテンツ。シュールな可愛さとグロさが共存する不思議な空気感が魅力です。隠しコマンドもあり。
◇『ブラスターバーン』
縦スクロールのシューティングゲームです。毎号1面ずつ新しいステージが追加され、自機のデータを引き継いで遊ぶことができました。連載形式のゲームというのは、当時としても斬新な感覚でした。
RPGのような成長&カスタム要素があるので、シューティングゲームが下手っぴな真野でもクリアできました。何気にストーリーが別ゲームと
★『ブラスターバーン』BGM(19曲/約25分)
https://www.youtube.com/watch?v=InXd68GVBbk
楽曲の出来も秀逸で、各戦闘ステージの熱いBGMや、ショップ内の明るくポップなBGMがプレイを盛り上げてくれます。以前の『Xak』同様、カセットテープに録音してヘビロテしていましたので、今でも脳内再生余裕です。
以上、他にも楽しいコンテンツが目白押しの『ディスクステーション』から、個人的に思い入れのある事柄を
そして、5回に渡ってお送りしてきた回想録もこれにて終幕とさせていただきます。青春時代を共に過ごしたMSXの思い出は尽きませんが、また別の話題で触れる機会があるかもしれません。
時は1980年代後半から90年代前半にかけて、ファミコン・スーファミ全盛期の裏で、MSXという家庭用パソコンが密かに歴史を紡いでいたことを、たまにでも思い出していただければ幸いです。
(おわり)
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