今回のテーマは「ご成婚おめでとうございます」ということで。

【単行本】

◆『じいさんばあさん若返る』〈完結〉(8)新挑限

名作ハートフルコメディ、アニメと同時完結（アニメ版の感想は下記）。

★103. 2024春アニメ振り返り〈前編〉【アニメ感想】

アニメ化されていないエピソードの中でも、ツルさん（イネさんの姉）若返り回は秀逸。墓前への結婚写真も良き。

最終話は圧巻。願い事→もう叶っとるよ、が素敵すぎます……！　林檎畑で寄り添う二人の姿は宗教画さながらの尊さ。これ以上ない最高のラストだと感じました。

◆『オレが私になるまで』(5)佐藤はつき

単行本は2年半ぶり。小2で♂→♀になったアキラの中学生活を描く青春ドラマ。TSという軸を通し、性差・性自認の問題と真正面から向き合う姿勢は素晴らしく。緻密で繊細な心情描写も真に迫ります。

主人公アキラが、至らなかった過去を悔いる第58話も、作品を一貫するテーマの一つです。幼さゆえの過（あやま）ちというのは、誰しも身に覚えがあるのではないでしょうか。

生々しい人物造形をしたトリックスターの詩（し）音（おん）、ヒロインの瑠海（るみ）、そしてアキラの本心がそれぞれ明らかになる第61話の内容も濃厚です。優しくて頼もしい夏（なつ）美（み）の存在も、アキラに様々な気付きを与えていそう。

天然男児マインドが魅力な葵（あおい）は、アキラ・瑠海との仲良しトリオも大安定。様々な場面でシリアスになりがちな空気を和（なご）ませてくれています。冒頭第52話での掘り下げや、第59話お泊り会での立ち回りも見どころです。

クライマックスは連載時にも触れた（本稿第84回）第63話。アキラから瑠海への告白は涙なしには見られません。加筆含めた見開きページ全部が美しく、尊さで胸がいっぱいになります。

◆『令和のダラさん』(4)ともつか治臣

歪な形で結ばれた十（じゅう）郎（ろう）太（た）と妹巫女。人ならざる者と化した彼とその血脈の行方が気になります。心霊スポットでは苦労人？の谷（や）跨（またぎ）さん大活躍。おっちゃん成仏できてよかったね。妖怪百科といい相変わらず作中設定のディテールが半端ない。

【連載：ガンガンオンライン】

◆『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い！』谷川ニコ

喪224前編。もこっち本人の与り知らぬ所で鞘当て始まってた。明日香（あすか）さん正妻の余裕にきーちゃんすらも撃沈。格の違いを見せつけました。うっちーは末永くうっちーのままでいてください（＞特別編）。

【連載：Vジャンプ/ジャンプ＋】

◆『ドラゴンクエストダイの大冒険勇者アバンと獄炎の魔王』三条陸/芝田優作

第43話。『ダイ大』本編へのプロローグを兼ねた贅沢なエピローグが続く。勇者パーティと魔王軍の裏側が描かれるのは期待通りとしても、まさかポップ両親の掘り下げまでしてくれるとは嬉しい誤算でした。最後はあの魔剣……？

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