38. セガサターン、シタ!(5)『YU-NO』そして...【回顧録】(※ネタバレ注意)
真野魚尾(まの・うおお)です。おなじみセガサターン談話は前回、美少女ゲーム(以下ギャルゲ)との思わぬ
その昔、ギャルゲの世界は、商品としてのセールスポイント=
そのため、ライターの作家性が申し分なく発揮された意欲作が数多く生み出されたのだとか。現在まで名作として語り継がれる後述のSFアドベンチャー作もその中の一つでしょう。
原作は年齢制限のあるゲームでしたが、近年は全年齢向けにリメイクされたり、アニメ化されたりもしているので、タイトルを明記させていただきます。
◆『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』
主人公は父親の
◇「You Know?」
主人公は時間を
妻との死別、娘との別離に始まる様々な苦難を乗り越え、主人公は根源世界の秘密に到達します。長い旅の終わり、戻って来たのは現代、あの始まりの地点でした。
倒れていた少女との再会。その正体が主人公の娘ユーノであったことを知ると同時、微笑みに込められた深い想いをもプレイヤーは知ることになるのです。壮大なSFアドベンチャーは、壮大な愛の物語でもあったのでした。
◇時の流れ≠歴史
作中で扱われる並列世界の概念と、それを構築する「事象科学」の設定の緻密さがとにかく凄まじいです。事象素子、飛び移り座屈、シュヴァルツシルト半径……ワクワクする単語がいっぱいです(詳しくはウィキ◯ディア参照)。
「時間」「空間」に「因果律」を加えた斬新な世界観は、本作以降に生まれた多くの創作物に影響を与えました。プロ・アマ、直接・間接を問わず、本作に感化された作家は無数にいるものと思われます。
無論、真野も例外ではなく。特に「たとえ時間を
当時、本作設定の下敷きとなった量子力学を理解しようと、講談社ブルーバックスや学研の科学ムックを読み漁りました。この辺りについてはいずれ『読書歴のようなもの【回顧録】』で改めて触れたいと思っています。
好きなキャラ:有馬亜由美、武田絵里子、豊富秀夫(小悪党として)
この頃になると、真野のギャルゲへの抵抗感はかなり薄まっていました。とはいえ、実際に手に取ったのはほんの数作に
以下に挙げるのは近年、全年齢向けにリマスター版が発売されたタイトルです。
◆『スーパーリアル麻雀』シリーズ
早い話が脱衣麻雀です。真野が持っていたのは『PVI』と『P7』。ま、麻雀がやりたかっただけだから……(汗)。『PVI』はおまけの
◆『慟哭 そして...』
こちらは大分後になってから買った記憶。廃館からの脱出サスペンスADVです。トラップ解除の選択を間違えるとヒロインたちが容赦なく死亡する高難度ゲーでした。
キャラデザ担当は現在も多方面でご活躍の横田守氏。令和版アニメ『ダイの大冒険』でも重要回の作画監督をされていましたね。
余談ですが、本作にはその『ダイ大』でも重要な役どころだった子安武人さんもご出演されています。長年第一線で走り続ける90年代クリエイターたちのバイタリティに心から感服です。
さて、今まで5回に渡ってお届けしてきた『セガサターン、シタ!』ですが、次回で終了となります。最終回ではクイズ&パズルゲームを取り上げる予定です。
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