97. レトロゲーム番外地(1)3DOのリアル【回顧録】

真野魚尾(まの・うおお)です。幼い頃からコンピューターゲームに慣れ親しんできた人生でした。


今までに語ってきたMSXやセガサターン以外にも、知る人ぞ知るゲームハードとの出会いがありました。本テーマでは、そんなレトロゲームの思い出に触れていこうと思います。


手始めに取り上げるのは、3DO REAL(スリーディーオー・リアル)です。セガサターンやプレイステーションに先駆けること半年前に登場した、Panas◯nic製のマルチメディア機です。



◆その名は3DO


真野の実家に置いてあったのは、MSX語りの前日譚でも触れた、新しもの好きの父が入手した3DOでした。ソフトも何種類かありましたが、特に印象に残っているのは以下の2本です。



◇『山村美紗サスペンス 京都鞍馬山荘殺人事件』


タイトルから雰囲気は察していただけるものと思います。小川範子さん主演の実写ミステリADVで、作中にはムービーシーンもありました。転送電話のトリックが鍵になっていたような記憶があります。



◇『ザ・ライフステージ』


こちらはゲームではなく、バーチャル空間に家具やオブジェをレイアウトして、自分だけの家/部屋を作り上げるシミュレーション・ソフトです。


自由度はかなり高く、多種多様な配置物や壁紙を利用して、現実にはあり得ない空間を創造することも可能でした。幽霊?や謎のオブジェ、血痕を配置してのホラーハウス作りは、当時誰もが一度は試みたのではないかと思います。



その後、真野は進学のため一度実家を出るのですが、再び戻って来るのを待たずに3DOの市場は衰退してしまいます。


以下は後年――といってもセガサターンの晩年辺りですが――真野が地元の中古ゲーム店でワゴン漁りをして入手したソフトになります。



◇『ソード&ソーサリー』


『Xak』のマイクロキャビン開発のファンタジーRPGです。主人公が女子で、しかも魔法使いというのは当時珍しかったかも。反面、味方キャラは獣人やリザードマン、甲虫人などの癖強パーティで、需要が謎でした。


シナリオはコメディ調で、ヒロインも陽気なので暗くならないのが良かったです。バトルがタクティカルだったのと、フィールドのオブジェクトを破壊してトークン集めをした記憶があります。


ちなみに、後発のセガサターン版はボイス付き(林原めぐみさん、椎名へきるさん、宮村優子さんほか)で、キャラデザなども変わっています。真野は両方プレイしましたが、先に体験した3DO版の方が思い入れ深いです。



◇『卒業 ~Graduation~ FINAL』


女子校の教師として5人の問題児を無事卒業させるのが目的のSLGです。セガサターンで美少女ゲームの洗礼を受けていた真野は、竹井正樹氏の洗練されたキャラデザに惹かれて思わず手に取ってしまいました。


ヒロインたちの名字が、タカギ・カトウ・ナカモト・シムラ・アライ……ドリフ◯ーズのメンバーが元ネタだったりします。冬馬由美さんや久川綾さんらが声を当てておられました。



他にも、父親がプレイしていた『ショックウェーブ』という洋画っぽいシューティングゲームがありましたが、真野はほぼ後ろで見ているだけだった気がします。


『スーパーストリートファイターII X』もプレイしたような気がしますが、もしかすると記憶違いかもしれません。



そんなこんなで3DO、実働年数は短かったものの、ソフトはバラエティに富んでいて、何かと印象深いハードでした。

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