第4話 書籍化よりも、ネットでこそ

 芋焼酎はお湯割りが好き。黒が好き。ねっとりとした甘さと、芋とは思えない華やかな香りが好き。

 ども、古城ろっくです。てけり、り……


 唐突だけど、みんな『ナーロッパ』って知ってるか?

 そう。なろう小説によくある、中世ヨーロッパ風なんだけど魔法使いやドラゴンが当たり前にいる世界観をこう呼ぶらしいのよ。

 僕が小説を投稿し始めたのが、2018年の1月ごろ。そもそもネット小説なるものの存在さえ、何年か前にsyamuさんって大物youtuberを通じて知ったんだけどね。

 ぶっちゃけ、それまで僕はファンタジー小説ってやつをよく知らなかったし、せいぜいハリーポッターの最初のやつを映画で見た程度の理解しかなかった。


 だから、最初になろう系を読んだ時は苦戦したよ。

 当たり前のように難しい用語が出てくるでしょう?さすがに『魔法』はわかるけど、『ゴブリン』は分からなかった。『スライム』は、ドラクエのCMで見た程度にはビジュアルを知っていたのだけど、そもそも未プレイだったので敵キャラだと思ってなかった。

 僕が読み始めたなろう小説では、このスライムかゴブリンが前半の敵として描かれることが多い。特に説明もなく登場した場合は、混乱したね。


 ……では、僕はなろう系とかナーロッパの文化が嫌いだったのかというと、そうではない。

 むしろ、知らない世界をあたかも実在するように描く彼らのおかげで、僕は異世界に思いをはせることができた。元ネタは「ナルニア国物語に由来する」とか、「いやドラクエだろう」とかいろいろ言われているらしいけど、何でもいい。

 ワクワクした。ああ、この感覚は懐かしい。


 東方の二次創作MMDドラマを見た時に近い気分だった。

 あれは『幻想郷』という共通の世界観を、それぞれのキャラクターの視点から描く物語群だ。

 ああ、『八分違いの世界』とかにも近いかもしれない。たまに2ちゃんねるで話題になり、実在するという説さえ強固なものにしたあれだ。半ば信じている(笑)。




 まあ、前置きがクッソ長くなってしまったな。

 さて本題……というか、要は何が言いたかったのかと言うと、


 PCでブラウザを開いて本文を読み、新しいタグを開いてニコニコ大百科やピクシブ大辞典を開く。

 そして画面を切り替えながら、その都度その世界の用語を見て思いをはせる。

 小説なら文章しか書かれていないものも、こうして読めば画像まで出てきた。そうして、大概の場合はその画像イメージと相違ない内容で書かれていたので、イメージも膨らんだ。


 ああ、そうか。これは紙媒体では出来ない(あるいは、しづらい)読み方だ。

 そう思った僕は、このネット小説という『ネットありきで読める物語』に、より深くのめり込んでいくことになる。




 そして確信した。自転車小説……厳密に言えば、自転車の細かいメカニズムにガンガン触れる、初見殺しの内容をやるならネット小説が一番だと。

 例えば、Shimano製のリアディレイラーだけは知っていても、SRAMと何が違うのかを知る人は意外と少ないだろう。何しろShimanoはママチャリ業界にも普及しているが、SRAMはそれなりに高品位なスポーツバイクにしか搭載されていない。

 そういうやつの違いを語るなら、ネットという媒介は素晴らしいのだ。


 だから、僕はチャリンコマンズ・チャンピオンシップを、ぜひネットでこそ楽しんでほしい。書籍化は要らない。そう思っている。

 自転車のディープな世界は、ある意味で異世界だ。自転車に本気で載ったことが無い人も、あるいは本気すぎて競技用としか思ってない人も、じっくりと読んでほしい。

 ママチャリ乗りに、スポーツバイクの面白さを、

 ロード乗りに、MTBの面白さを、

 MTB乗りに、ランドナーの面白さを、

 ランドヌールに、ママチャリの面白さを、

 知ってもらえる作品になればいいなと思って書いている。


 ……とはいえ、ここに誤算と言うか、オチがつくんだけどさ。

 そもそも、普段からShimano製のギアとか使っている人でさえ、Shimanoを知らないんだよね。SRAMとの違いを語る以前の問題だったというか、僕の見通しが甘かったよ。初見殺し狙いにしてもオーバーキル過ぎたよ。






 あ、今自転車に乗っているよーって人は、それぞれの部品がどこのメーカーで作られているかとか、そのメーカーは何を考えて商品を作っているかとか知ってみるのも面白いかも。

 3段変速のママチャリとか乗っている人、いる?そのレバーのところに、ShimanoとかRevo.shiftとか、Sisとか書かれてたら、それはShimano社の製品だ。

 このメーカーの3段変速の特徴は、他のメーカーにはない『内装変速』ってやつであること。つまり、外側に変速ギアのメカがないんだ。全部内側に入っている。

 なんでこんな細かい細工ができるのかと言うと、多分、魚釣りに使うリールなども生産しているShimanoのノウハウが、そのまま自転車に転用されているんだと思う。金属加工を得意とする会社だよ。

 ……まあ、金属にこだわり過ぎた結果、SRAMやカンパに『カーボン』を使われてしまう結果になるんだけどね。

 あ、それからそれから……


※番組の途中ですが、古城ろっく氏が暴走を始めたため、今日はこの辺でお開きにします。

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