第47話 長文タイトルは嫌いだが、それはさておき

 よう、古城ろっくだ。最近寒くなったことを、布団の恋しさとウィスキーに浮かぶ氷の溶け具合から実感している。

 今夜は霧雨の影響もあってか、予報された気温よりさらに寒く感じる。こんな日はどうやってベッドで過ごそうか、というのが僕の課題の一つだ。

 さて、今日はエッセイでも書こう。


 このカクヨムではあまり聞かない話かもしれないが、類似サイトである『小説家になろう』において、長文タイトルの批判だとか擁護だとかが論争を起こしているのをご存じだろうか?

 ああ、あるんだよ。そんなのが。

 まあ、何でこんなことになっているのかを解説すると、だな。

 あのサイトはこっちと違って、キャッチコピーってシステムも無いし、読者からレビューを貰っても見えにくい仕組みになっているからさ。タイトルで作品をPRするしかなくなるんだな。

 だから作品の紹介文をタイトル欄に記載する作者が増えている。要するに、使えるものは何でも使えってところになってるのさ。そしてそれが読者にとっても有益であるのだから、まあ増えるよな。

 正直言うと正当な考え方だとは到底思えないが、危機に瀕した人間は恥を捨てる。衣食足りてなんとやら、だ。みすぼらしく意地汚いやり方だが、気持ちは分かる。痛いほどにな。


 さて、古城ろっくはこの『長文タイトル』とやらをどう考えているのか、と言うと……

 意外だと思うかもしれないが、実は使ってみたいと思っている。


 上気した通り汚い手法であるが、それはそれ。僕だって新規読者に飢えてるんだ。例え汚い手であろうと、僕はそれを使うのにためらいはない。まして、それを読者も望んでいるならいいじゃないか。被害者と呼べる人間がいないなら、それは正義じゃないにしても悪ではない。

 ただ、これも言っておくぜ。『チャリンコマンズ・チャンピオンシップ』は長文タイトルにしない。する意味が無い。


 長文タイトルってのはな。ただ長くすればいいってもんじゃない。ポイントが2つあるんだ。


1.作品の内容をネタバラシしろ。作品と関係のないタイトルをつけるのは、詐欺だなんだと文句をつけられやすい。

2.売れてるキーワードを連呼しろ。もういっそ人気フレーズだけでタイトルを作れ。それ以外の長文は書くだけ無駄だ。


 と、この辺かな。

 実際になろうのランキングを見てみると、もう本当に同じワードばかりが並ぶぞ。『追放』『最弱』『最強』『底辺』『外れスキル』……

 別に何か陰謀を疑うわけじゃないが、お前ら同じこと書き過ぎだろ。どれが読んで見切りをつけた奴で、どれがまだ読んでない奴か分からなくなるわ。

 いや、マジでこれなんだよ。僕ってあんまりランキング上位の作品で「これ読んだよー」みたいな話をしないじゃん?そりゃそうだよ。読んだ僕さえ見分けがついてないんだもん。どれ読んだのか分からないんだもん。


 まあ、いいや。

 真面目な話。上記2点を踏まえたうえで、なぜ僕の書く『チャリチャン』が長文タイトルに向かないのか、解説する。

 結論から言うと、内容がその流行りの要素を取り入れてないからだ。


 例えば、すげー素直にチャリチャンを長文タイトル化すると、多分こうだ。


『クロスバイクと出会った少年。クラスメイトの少女と一緒にレースに参加するけど、何でもアリってそりゃないよ!? 次々と出現するライバルたちとの出会いと別れとユニーク自転車!!』


 こんな感じだな。しいて言えば『ユニーク』って単語が、流行りの『ユニークスキル』を思わせるくらいだ。それ以外に何もそれっぽい単語が入ってない。


 じゃあ、入れりゃいいんだろ。入れてやんよ。


『学年最底辺の少年。実は自転車の扱いが天下無双のユニークスキル持ちでした!! 遅すぎる自転車たちに最速チートバグで勝利! 追放したチームメイトの少女が手の平返して迫るけどもう遅い!!』


 うん。もりもりだな。

 ちなみに既に読んでいる人は分かると思うが、全然こんな話じゃないからな。これタイトル詐欺でしかないし、このタイトルを見て読もうと思った読者は全員ブラバだよ。最悪の場合、タイトルが違っていれば読んでくれたかもしれない人たちまで、タイトルでブラバさせる(笑)

 そもそも、上記のような作品をベースに自転車の魅力を書くことは不可能に近い。仮にできたとしても、読者は『主人公すげー』ってなっても『自転車すげー』ってはならない。自転車の布教活動として小説書いている僕にとって本末転倒だ。


 と言うわけで、僕は長文タイトルにすがる事さえ不向きなわけだな。

 みんなも、長文タイトルがどうのこうのと語る前に、『この作品は長文タイトルに似つかわしいのかどうか』みたいなのを考えてみてくれ。

 そもそもが長文タイトルファンの好みじゃなさそうな作品を、無理やり長文化したって意味が無いぜ。

 さて、じゃあ古城ろっくはこのまま人気を諦める路線なのかっていうと、そんなことは無い。

 なにしろ、ここは小説家になろうではない。カクヨムだ。

 カクヨムはそもそも、そのサイトデザイン的にも長文タイトルがそこまで有利にならないレイアウトなんだよ。むしろ沢山のレビューを貰っている奴とかが目立つ仕様だ。

 なので、皆さんレビューください(笑)


 前回とオチの温度差が激しいが、みんなは風邪をひくなよ。

 それじゃ、ウィスキーの氷が解け切ったところで、今日はここまで。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る