第32話 なんとなくには理由がある
よう、古城ろっくだ。最近なんとなく頭が痛いと思っていたんだが、なんてことはない。飲みすぎだった(笑)
ハイボールを1:2で作るのはそろそろどうかと思う。あと500mlの炭酸水を開けたら全部飲むという自分ルールも改めていこう。計算上ではウイスキーを250ml(およそ7ショット)も飲んでいることになる。お財布にも優しくない。
いや、おかしいと思ってたんだよなぁ。700mlのビンが3日で空っぽになるんだもん。
あ、ちなみに健康上、医者が推奨する飲酒量は上限70ml(2ショット)らしいぞ。週2回は休肝日を設ける方がいいそうだ。都合、一本空けるのに2週間かかれば正解かな。
さけ、本題。
最近話題のネット小説があってな。友人も面白いと勧めてくれるので、改めて読んでみることにした。
そう、改めて、だ。
この作品、前にも読もうとしたんだが、なんか面白くなくて序盤で挫折したんだよな。
ただ、僕はこの作品をもっとしっかり読みたいと思った。それは友達が勧めているからでもなければ、人気作品で話題沸騰中だからでもない。
『つまらないと思った理由が解明できていない』からだ。
これを解明しないと、どうも僕の中に気持ち悪いしこりが残る気がしてならない。
倫理的に説明できなくてもいい。エッセイのネタにならなくてもいい。みんなに共感してもらえなくてもいい。
僕の中で折り合いがつく理由を知って、『僕を』納得させたい。
そうやって理解できることがあれば、僕が自作に生かすこともできるだろう。
まあ、こんなこと言うと「嫌なら読まなきゃいいじゃん」とか「文句を言うために読書をするのは楽しいか?」とか言い出す層もいるんだけどな。ああ、楽しいぜ。自分のスキルを磨くための努力は楽しいものさ。
と言うわけで、ゆっくりとこの作品を紐解いていく。ちなみにどの作品の話をしているか分かった人には……まあ特になんの商品もない。
ふむ……舞台は現代日本。くしくも僕が書いているチャリチャンと同じ、平成の終わりごろの設定だな。そして学園ものだ。これも僕が好きな設定。
ジャンルは推理ものだな。僕が普段から読むジャンルではないが、地味にテンションが上がるやつだ。頭使って読む系は好みだぜ。
主人公はなんだか好きになれないタイプの凡庸さがあるが、まあこれもいい。もともと僕が好きになる作品の大半は、主人公が好きになれない作品だからな。そういう意味では一周まわって高評価だ。
……つーか、この時点で僕のひねくれた性格が出てるよな。僕が「この主人公好き」って思った作品は大体ストーリーが好みじゃないし、「この主人公の魅力は無いな」って思った作品ほどストーリーが面白い。もちろん傾向の話で、必ず反比例するわけではないが。
さて、ここまで状況を羅列してきて思う事としては、『これが面白くないはずがない』だ。
ここまで僕の好みに合わせてきたかのような要素を沢山はらんでいる作品、滅多に出会えないぞ。
さて、もう少し読み進めてみるか――いや、やめておこう。
僕が知りたいのは、『なぜ序盤がこんなにつまらないか』であって、『今後は面白い展開になるのか?』ではない。
つまり、今まで読んできたほんの数話のうちにこそ、僕が知りたい真相がある。
この際だ。物語の中で起きている事件なんだか事故なんだか分からんクソどうでもいいテーマなどに、構ってはいられない。それより解き明かすべき謎は『なぜつまらないか』だ。これこそ最大のミステリー。
……ん?
待てよ??
これだ。少しだけ実像がはっきりしてきた。
僕がこれをつまらないと感じる理由は、物語自体がどこを目指しているのか分からない不透明さにある。
寄り道が多い――いや、どれが寄り道なのかはっきりしないのだ。
主人公はそもそもこの事件を解き明かしたいのか、そうでないのか、それすら分からない。
被害者はそもそも事件に巻き込まれたのか、事故を起こしただけなのか、それも分からない。
主人公はヒロインをどうしたいのか、ヒロインは主人公をどうしたいのか。これも分からない。
そもそもジャンルがミステリなのか日常ほのぼの系路線でいくのか、主人公は群像劇の語り部なのか事件解決の立役者になるのか。それも分からない。
分からない事が多すぎて、どっち方面に頭を使えばいいのか分からないんだ。あと、ミスディレクションのつもりかもしれないが地味に登場キャラが増えるテンポが早い。キャラひとりひとりを掘り下げる前に次の新キャラが登場し、実はそれがモブっぽいのが気になる。
まだ完全に自分の中で納得は出来ないんだが、暫定的に上げるなら上記の通りだろう。
そして、ちょっと悲報。
僕の作品も、あれまた寄り道の多い作品になってないだろうか?
僕の書く『チャリンコマンズ・チャンピオンシップ』の場合、作者的には自転車の話ができれば満足なのである。なのでフォーカスを当てるべきは終始そこだ。
ただ、その横でどうしても外せないストーリー要素があるため、『空の趣味探しの旅』だとか、『茜の将来の夢』だとかが目立つ。
これらの要素が、自転車の話を阻害していないだろうか?
きちんと餌は餌、釣り針は釣り針で機能しているだろうか?
ううむ……確かに元々『自作に生かせれば』と思って研究し始めたことだったが、
いざ根底から覆されるような結果が出てくると、それが真実かどうかはさておきダメージが大きいのだな。
いろいろ考える事は多いが、もし次回作があるならもう少しバランスとか見せ方に工夫を置こう。
などと言いつつ、チャリチャンは最終章に入っていく。
これこそ、本当に自転車の話が薄まっていくんだよなぁ。
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