第101話 「エッセイ書くぞ!」ってどんな脅しだよ?【後編】
君は『二元論』という言葉を知っているかね?
僕も友人のエッセイで聞きかじった程度のことしか知らないので、あまり詳しく名はないのだが、すなわち二元論とは自己と他者の相違を認識するという――
――あ、待って。帰らないで。むづかしい話じゃないから、ね?ね?
おーねーがーいー!!
あ、グラスが空じゃないか。これは失礼した。さあさあ、もう一杯。
さて、本題に戻ろう。前回の続きだ。
前回の僕の指摘に対して、白鳥くんから帰って来た返事をかいつまんで紹介しよう。
大体こんな感じだ。
『まずは喧嘩腰で語りかけたことを謝罪する。あれはわざとだ。そうすれば確実に古城ろっくが返信すると思ったから煽った。
古城ろっくの行為が著作権的に問題ないことも知っていたが、構ってほしかったからわざとやった。いや、最初から知ってたし。引用でしょ?知ってたしー。
あと5ちゃんねるに書き込んだのは俺じゃないからな。これに関してはお互い迷惑だよな。ごめんな。
まああと例の画像は消してくれるんだよな。それなら何でもいいや。消しといてくれ。そしたら俺も批判エッセイを投稿しない』
と、このような内容がこれまた丁寧な口調で書かれていたが、重要なのは口調や態度ではなく内容だと前回も言ったな。あとどーでもいい事で謝罪されても困る。そこは本題ではない。
これまたいろいろツッコミどころがあるなぁ。著作権と引用に関する例外について知っていたと言っているが、ハッタリなら小物過ぎるし、真実なら性格が悪すぎる。
まあ、それより重要なのは、最後のところだ。
要するに、相手は終始「批判エッセイを書かれたくなければ引用した画像を消せ」と言い続けているのである。
なるほど。白鳥くんのエッセイはそんなに恐ろしいものなのか。それは興味があるな。
読ませてくれ。ほら。
いつ出すんだ?
早くしてくれよ。
楽しみにしているんだ。
やるんだろ?
古城ろっくの名前を出して、
けちょんけちょんに文句を言うようなエッセイを、
なろうとカクヨムの両方に、
投稿するんだろ?
やれよ!
いや、僕としてはもう純粋に、さっさと投稿してさっさと広めてほしい限りなんだ。宣伝にもなるし、被害者ムーブも出来る。頭のいい読者ならすぐにどっちが正しい主張をしているのか気づくからな。
何より5ちゃんねるの連中が待ってるじゃないか。あれタイトルの通り『なろうエッセイ』のスレなんだから、白鳥くんがなろうにエッセイとして投稿しないと、これまでの書き込みがスレチになっちゃうだろ。
まあ、僕はツイッターでレスを返していただけで、別に直接書き込みには行ってないんだが……それでもスレの流れを先導した自覚はあるし、なぁ。
不思議なことに、白鳥くんは終始、炎上を避けているように見えた。そのくせ自分はエッセイを書き、炎上を起こすことを後ろ盾にしていた。
彼にとって『名指しでの批判エッセイ』とは、銃口を突きつけるような行為だと思い込んでいたのだろう。
ところが僕は彼の想像するよりはるかに強靭な肉体を持つので、そんなおもちゃのピストルを突きつけられたくらいでは怖くないのだ。
むしろ先ほど言った通り、周囲への宣伝効果のほうが期待できる。
この辺が論争の強さを如実に表しているよなぁ。ゴメンな強すぎて(笑)
みんなは子供の頃に、幼稚園の先生から大切な教えを授かったはずだ。
「自分がされて嫌なことは、他人にしてはいけません」
こういう考え方は子供に教える時だけ有効だ。大人になってくるにつれて、真実に気付く。
「あれ?自分がされて嫌な事と、相手がされて嫌なことは違うぞ」
とな。
そもそも社会なんて、その価値観の差で成り立ってんだよ。誰かの『やりたくない仕事』は、別な誰かにとって『やってもいい仕事』なんだ。だから社会での役割分担が可能で、それぞれの業種、職種、部署、管轄が機能する。
例えば僕は一日中デスクワークなんか嫌だから、荷物運びの倉庫作業をしているわけだが、世の中には力仕事が嫌いだからデスクワークをしている人もいる。分かりやすいだろ?
まあ、つまり……
古城ろっくは名指しで批判されるのも、そのエッセイを広められるのも、ついでに言えば匿名掲示板で話題にされるのも大好きです。
まあ、そんなやつもいるんだよ。そこに気づかなかったのは白鳥の最大の誤算だったな。
で、そこに気づいた白鳥くんなんだけど、
最後に僕に対して、こんなメッセージを残している。
『別に炎上させたいわけじゃないし、エッセイも書かない。このアカウントも明日の朝には消す』
だいたいこんな感じだ。
おいおい、無理があるだろ。
あれほど『古城ろっくを名指しで批判して、なろうとカクヨムの両方のユーザーに是非を問う』って息巻いてた奴が、『炎上させる気はありませんでした』って……
寒いギャグだとしても弄りようがないぞ。
まあ、そんな感じで、この話は何の収穫も無く終わり、5ちゃんにスレチな話題を提供しただけで終焉したわけだ。
――そんなの、もったいないよな。主に僕が割いた時間と労力がもったいない。
なのでこうして、僕のエッセイにも書き残してやる。白鳥が書かないなら僕が書くってわけだ。
今回の話はこれまで。読者さんたち、付き合ってくれてありがとうな。
さて、最後になるが、関係者各位に挨拶。
ツイッターのフォロワー諸君。つまらないツイートをTLに流してしまって申し訳なかった。まあでもツイッターってそんなもんだって事で許してくれ。
なろうエッセイスレの皆さん。今回は話題を取り上げてくれてありがとう。と同時に、そちらのスレの本来の趣旨から外れたこと、白鳥に代わって謝罪申し上げる。ごめんなイッチ。
最後に白鳥くん。次にもし会うことがあったら、その時は覚悟を持って相手を脅してくれ。君は何の覚悟も無く僕を脅せると勘違いしたようだが、そんな薄っぺらい認識では返り討ちに遭うだけだ。
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