第100話 「エッセイ書くぞ!」ってどんな脅しだよ?【前編】

 よう、古城ろっくだ。手を上げろ!武器を捨てて今すぐ投降しろ。さもなくばエッセイを投稿する!

 ……いや、わけわかんねーな(笑)


 まあ座ってくれ。いつも通り楽しくやろう。今日のBGMは……お、川のせせらぎ音か。こういうASMRもあるんだな。

 暑くて寝苦しい夜にぴったりじゃないか。音楽じゃないけどこれでいこう。僕の部屋、見ての通りクーラーが無くてな。

 あ、ハイボール飲む?今日はJAMESONがあるんだ。乾杯しよう。

 かんぱーい!

 んっ――うん!甘い。じぇむそんあまーい!フルーティな香りも相まって飲みやすいな。口当たりもまろやか。

 これがアイリッシュってやつか。同じブリテンでもスコッチとは全く違うアプローチだ。

 ふぅ……ちょっと落ち着いたぜ。

 いやー、今日は朝から深夜まで、ワクワクさせられたりイライラさせられたり、なんか煮え切らない奴がこのカクヨムに来ててな。おかげでずっとザワザワしてたんだが、ようやく平穏を取り戻した気分だ。



 さて、本題。今回はエッセイでの小競り合いが話だ。

 記念すべき100話目に、こんなシケた話題を当てることになったのは残念で仕方がない。でも許してくれ。


 こないだ、ちょっと妙な主張のエッセイをいくつも見つけてな。いや、そんなもんはいくらでも見つかるんだが、そのうちのひとつをツイッター上で引用して批判したんだ。

 なあ、感想欄って、誰のためにあると思う?

 いろんな回答があってくれていいし、正解はない。君の中で芯が通っていればそれが正解だし、同じように誰にでも真の通った主張をする権利がある。

 で、僕にも僕なりの正解がある。

 感想欄なんかは、読者と作者の双方が楽しめるように設けられているはずだ。作者を喜ばせるためだけにあるわけじゃないし、作者に管理権限があったとしてもそれは作者のためにあるという根拠にはならない。

 ……という持論を、僕はツイッター上で展開した。まあ、エッセイ主に伝える必要はないさ。最初に言った通り、これに正解なんか無いからな。(それにしてもアイツはガバガバ理論だったが)


 で、それから数日後――つーか昨日だな。僕が仕事に行っている間に、僕の近況ノートにコメントが書かれていた。

 相手は先ほど槍玉にあげたエッセイの作者だ。名前を出すほどの相手でもないし、おそらく本人も望んでいないだろうから、仮に『白鳥』と呼ぶ。あくまで仮称だ。

 この白鳥が、妙な脅迫状を送り付けてきた。内容はかいつまんで話すと……


『エッセイ本文のスクショ画像を消せ。

 そんなものを許可した覚えはない。つまり古城ろっくは著作権に違反しているはずだ。

 この件に関して、古城ろっくを名指しで批判するエッセイを、なろうとカクヨムに書いてやる。

 嫌なら24時間以内に俺の近況ノートにコメントしろ』


 と、まあ大体これを丁寧口調にして水で5倍に薄めた感じの文章が送られてきた。

 あ、ちなみに僕は相手の口調を気にしないから、仮に丁寧な口調で言っても好感度は上がらないぞ。大事なのは内容だけだ。覚えておいてくれ。


 さーて、どうしたものかな。


 この時点でいろいろツッコミどころは多かったんだが、さらに不思議なことが起きる。

 みんなは匿名掲示板『5ちゃんねる』を利用するかな?

 その掲示板の文芸書籍サロンってところに、『なろうエッセイ14』ってスレが立ってる。そこに今回の事態が書き込まれてしまっていた。

 ……ちなみにこの白鳥って奴、結構いろんなユーザーに喧嘩ふっかけてる奴らしいね。少なくとも大した接点のない僕に喧嘩ふっかけるためだけにカクヨムにアカウントを作ったあたり、相当アレなんだろう。


 まあ、そういう事態になってしまったんだよなぁ。

 これは穏便に終わるはずがない。

 だって、そうだろ?




 相手の白鳥は、喧嘩が大好きで、著作権のお勉強もしていないのに僕に突っかかってイチャモンつけてくるヤベー奴だ。

 引用の範疇で使用した僕が著作権に引っかかる可能性は非常に低いわけだが、その辺を理解できないばかりか、法廷で争うとかではなくエッセイで水掛け論を繰り広げようとする輩だ。完全にただの喧嘩屋だよ。


 そして、なろうエッセイスレの住人といえば、エッセイストの書いた文章を引用して批判しまくるのが好きな観客たちだ。彼らは日夜、荒らしユーザーの観察やエッセイ界隈の動向に目を光らせている。

 ……いや、まあこっちに関しては、好きなスレを荒らされただけの被害者なんかも寄り集まっているから、一概に喧嘩好きの観客ばかりとは言えないんだけどな。いろいろいる中で、やっぱり喧嘩を見に来るギャラリーが多い印象だぜ。


 そして何より、このエッセイを読んでいる君なら知ってると思うがね。

 僕が一番、こういうバチバチの喧嘩が大好きなんだ。

 そんな僕の目の前に、急に対戦相手とギャラリーとリングが用意されてしまった。何だこれ?ご褒美か?


 まあ、せっかくなので僕は白鳥と話をすることにした。

 重要な点はたった3つだ。

1.僕は引用をしただけで、著作権に違反していないこと。

2.相手は引用元を記載しない方法で僕のツイッタースクショを張りつけ、著作権に違反していること。

3.僕としては、批判エッセイとやらを楽しみにしていること。――また引用してツイッターで嗤い物に出来るからな。


 この3つを、白鳥に伝えに行かなくてはならないだろう。

 そうして戦いの火ぶたは切って落とされたのである。


――――後半へ続く――――






 あ、ちなみに白鳥は僕当てのコメントを削除しているようだが、僕はカクヨムにコメントが付いたとき、電子メールで通知を送ってもらうように設定している。

 つまり白鳥が削除したコメントは、僕のメールボックスにちゃんと保存されているから、安心したまえよ。

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