第76話 ローラー台を買った話

 よう、古城ろっくだ。

 今日は檸檬堂のカミソリレモンを飲んでいる。……いや、これに関するレビューは以前も書いた記憶があるな。

 本当に美味いんだ。このドライな感じと強い苦味に、僕はもう釘付けさ。

 ああ、でもストロングゼロの方が好きかもしれない。僅差だな。


 さて、本題。

 実は僕、自転車においては『実際の走行に勝る楽しさはない』と思っていたタイプの人間で、ローラー台を使いたいとはあまり思わなかった。

 まあ、僕の作品の劇中でも、ルリちゃんが時速72キロを出した後、


「とはいえ、私も実際に公道で70km/hを超えたことはありません。空気抵抗や路面の突き上げを想定していないので、この数字になるのでしょう。あくまでローラー台の上での記録です」


 って言うシーンがあるんだけどな。あ、これね。第5話。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889131392/episodes/1177354054889214408


 うん。僕、本音を言えばローラー台が嫌いなんだ。

 そんな僕が、今回ついに……




 ローラー台を買いました!




 ってことでね。そのインプレッションとかについて語っていこうかな、と。

 購入したのは、お馴染み『ミノウラ』の一番安い固定ローラーです。


 いやー、漕いでみた感想としてはですね……

 まず、「これ、負荷のかけ方がおかしくね?」と。

 普通、フリーハブが付いた自転車の場合、ペダルを止めてもある程度の距離は走るよね。いや、難しい話じゃないよ?

 ママチャリ乗りにも分かるように言うなら、『ママチャリでも勢いをつければ、ペダルを回さなくても勢いだけで数メートルは走るでしょ』って意味だ。競輪用自転車やピストバイクを除いて、だいたいの自転車は勢いだけで走る設計になっている。

 ところが、

 と、こ、ろ、が、

 ミノウラの安いローラー台は、ペダルを止めると急激にブレーキがかかるんだ。

 これは変速ギアを多用するライダーにしてみれば『ペダルを止めるたびにいちいちギアを下げなきゃいけない』みたいなイライラに繋がる。

 それどころか、ピストバイク乗りですら『死点で減速する』という感覚があって、滑らかにペダルを回せない事だろう。

 あ、『死点』っていうのは、ペダルを踏んでも蹴っても進まないポイントの事ね。具体的に言うと、ペダルを一番上まで上げ切ったところを言う。

 あの状態から踏み込んでも、力が入らないだろ?最悪の場合は逆回転する可能性まである。

 なので、その『死点』は、勢いだけで突破するのが定石だった。

 ところがローラー台の場合、それをさせてくれない。急激にブレーキがかかるからだ。

 つまり、ロードバイク乗りが(特に、回転型の選手が)よく言われている『ペダルは滑らかに回すんだ』って乗り方が、一切使えなくなる。

 まるで上り坂をずっと登っているような感覚だけど、実際には登ってもいないし、何より上り坂での必殺技『振り子』(弱虫ペダルで言うところの、巻島先輩のスパイダークライムみたいなやつ)が使えないってのが問題だな。

 本当に、ペダル半回転ごとに違和感を感じる仕様になっている。


 で、その話をショップ店員にしたところ……

 なんでも、『まあ、ミノウラの安物はそんな感じですよね』とのこと。

 どうやら、高級な固定ローラーだと、現在の速度に応じて自動で負荷を切り替える機能があり、充分に勢いをつければそれだけで走れるらしい。

 僕の買ったローラー台にはない機能だ。

 ちなみに、その機能が付いているローラー台は安くても3万円ほど。一方の僕のローラー台は新品で6000円もしない。

 ……うん。このコストを聞くと、やっぱ僕は6000円のローラー台でいいやって思うね。メインは外を走ることなので、室内でのお遊びに使う玩具に3万円は出せないよ。


 いやー、でも高級なローラー台でも、やっぱり弱点は多いみたいだね。

 バイクコントロールが身に付かないから、高速巡行時のブレを制御できないとか、そういう弊害があるらしい。

 ローラー台はあくまで筋トレ用。実戦では何の役にも立たない。

 よく知る人が言うには、

「一週間に一日でいいから実際に道路を走行しろ。ローラー台だけの感覚に慣れると、走れないくせに無駄な筋肉だけつけた役立たずが完成する」

 とか何とか(意訳)




 まあ、ぶっちゃけ『面白い玩具』ではあるので、実戦とか筋トレとかの話から切り離して、自転車の新しい形として遊んでいこうかな。と思う。

 実際、負荷を最小限にしてギアを下げ切ると、とりあえずくるくる回している感覚だけは楽しめるからね。

 どんな下手くそが乗っても転ぶことは無いので、テーブル持ってって執筆しながらペダルを漕ぐのもいいかもしれないな。


 え?「古城ろっくが自転車のエッセイを書くなんて珍しい」って?

 ああ、うん。だいたいは小説のネタに使っちゃったり、あるいは「よく知りもしない僕が書いて、信じる人がいたらどうしよう?」みたいな考えになったりもするからね。

 小説だと「フィクションです。演出です。大人の事情です」で済む話が、エッセイだとそうもいかないわけですよ。

 まあ、自転車関連じゃない話題なら、結構適当なことばっか書いてんだけどな(笑)

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