第107話 没ネタをゆるーく語る

 よう、古城ろっくだ。そしてこちらが木挽ロックだ。

 僕、暑い夏には酒もがぶがぶ飲みたくなる癖があってね。どうしても焼酎水割りとかウィスキーハイボールとか、とにかく薄めてごくごくしちゃうんだけどさ。

 なんか今週は急激に涼しくなってきたから、ゆっくり焼酎ロックもいいね。

 ちょっと癖のある芋焼酎を、ちまちま時間をかけて楽しむ。そんな趣向で行こうか。

 もうちょっと季節が進むと、お湯割り飲みながらおでん鍋をつつくのもいいね。


 さて、今日はちょっと変な話。『連載しようと思ったけど没にしたネタ』を、いくつか公開してみようと思う。

 まあ、要するに『古城ろっくはこんなこと考えながら作品の構想を練ってます』くらいの話かな。それでは、行ってみよう。




1『自転車のパーツを奪い合う(あるいは負けた方が自転車を失う)王道ギャンブル』


 ありがちだよね。カードゲームに負けたらカードを失うとか、プラモバトルで壊れるまで戦うとか、お互いの指をチップ代わりにポーカーして負けたら指を切断されるとか、そんな感じだ。

 物語の序盤でインパクトを出せるので、つかみはOK。それこそ開始3行で無理やり緊張感を演出できる。インスタント緊張感。

 まあ、これを自転車でやると、『負けた選手は自転車を壊される』とか、『負けた選手が脚を切り落とされる』とかになるんだけど……

 やめましょうや! 命が、もったいない!!


 さて、次点でありそうなのが『負けた人は勝った人に自転車(あるいは部品)をひとつ差し出す』というもの。

 ……これは面白そうじゃね?

 例えばロードバイクに限定するなら、パーツ規格はある程度決まっていて、互換性が高い。


「僕が勝ったら、お前のBORA ONEを貰うよ」

「いいぜ。勝てたらな……ちょうど新しいクランクが欲しかったんだ。お前のREDは俺の車体に似合いそうだ」


 ……うん。面白そう。

 ただ問題は、高級なロード用パーツがわりと多く出回っているという生産台数の多さと、それに伴う希少価値の半減具合だ。

 え?「コロナのせいで減ってるじゃん」って? うん。そんな悲しいこと言うなよ。僕だってショップに新しいブレーキ頼んだら「1年待ちですね」って言われたから、その状況はよく分かるけどさ。

 そういう意味では『遊戯王』は上手だったよなぁ。例えば青眼の白龍ブルーアイズ・ホワイトドラゴンなんかマジで激レアだったし、海馬くらいしか使ってない印象がまた強みだったじゃん。ブラック・マジシャンもだいたい遊戯の固有カードみたいになってたから、まさかパンドラが使ってきた時は「お前も持ってるのか!?」って驚いた。

 あのくらいのバランス調整ができると(現実世界の基準からは外れるが)面白い。自転車レースに行くと、だいたい「あ、アルテグラですか。どこのショップでも置いてますよね」くらいの希少価値だから、ありがたみも薄れるわ。

 なんか『伝説のロードバイク』みたいなのを物語に登場させればいいかもね。この世に1台しかない自転車で、それがパーツ単位でバラバラにされて世界中に散らばっている。

 これなら主人公が、「その伝説のロードを復活させる」って目的で世界中を飛び回り、賭けレースでパーツを奪う理由になる。なんかエア・ギアのパーツウォウみたいだよな。レガリアが鍵を握る。多分。


 まあ、物語が無駄に壮大になるからボツ。次。




2『二人じゃないと動かせない。絆の物語』


 自転車小説を書いていると、わりとよく考えることがある。

「この作品、主人公が一人のとき、しんどいなぁ……」ってさ。

 要するに会話する相手がいないと、急激にドライな書き味になるんだよ。まさか主人公に独り言をずっと言わせるわけにはいかないし、難しいところだよな。

 ちなみにチャリチャンだと、空と茜のダブル主人公に加えて、どこでも電話できる実況者ミス・リードの存在もあって、わりと書きやすかった。

 ……そう。会話が欲しい。敵でも味方でもいいから、会話形式で物語を進められる『話し相手』が欲しい。

 仮にだけど、タンデム自転車を使った二人乗り限定のレースとかを取り上げると、必ずパイロットとストーカー(コ・パイロットとも言う)が揃わないと動かせないから、会話が耐えないんだよね。

 エウレカセブンみたいに複座に二人座らないと動かせない方式を採用するわけだ。……あ、ちなみに僕はPS2版にだけ登場したターミナスTR505改が好きです。あれ単座だけどね(笑)

 うーん……まあこれ自体がメインストーリーに絡むものではないので、もしかしたら使いどころは残っているのかもしれない。

 うん。いいもんだね。




3『バーチャル空間を走る!? 近未来ライド』


 みんなZWIFT好き? 僕は嫌い(笑)

 まあ、自転車も室内用のトレーナーにWi-Fiを接続して、バーチャル空間でトレーニングが出来る時代が来ましたね。

 ゲームアプリの世界で登り坂に差し掛かると、負荷も上がってペダルも重くなる……どころか、ちゃんとフロントの高さが変わってハンドルがせり上がるシステムまで採用されるとは、さすがに驚いたよ。

 あ、これはフィクションじゃなくて、現実の話ね。いやー、21世紀の技術は恐ろしい。

 これで仮に空力抵抗や体重移動まで計算できたら、本当に現実並みの仮想世界だ。まあ、そこまでは現代で再現できないんだけどさ。


 さて、実は僕も、この話を3万字ほど書き溜めてしまった過去がある。2年ほど前、新連載に悩んでいた時なんだけどね。

 未来の世界。新型ウィルスを怖がってふさぎ込んだ人類が、メタバースに活路を見出す。そして完成するのが『バーチャル空間での自転車レース』だ。

 いやー、まあ、ね……ボツです。

 怪我や車体の損傷を考えず、大胆なラフプレイも出来るのは売りのひとつだったんだけど、最後に残るのは「これ、別にわざわざ仮想空間でやらなくてもよくね?」ってところ。

 なんならチャリチャンでもラフプレイを挑んだ選手は多かったから、それに比べたら『劣化した』とさえ言える。緊張感がない。

 いやー。無駄な3万字だったね。ちなみに、チャリチャンに登場した空君と茜ちゃんの孫が主人公って設定だったよ。あっはっは。




4『自転車が空を飛ぶ!? フライトシューティング』


 エア・ギアだのエウレカセブンだのの話をしてて思ったんだけどさ。エアトレック(空飛ぶローラースケート)とか、リフボード(空飛ぶサーフボード)とかがあるのに、何で空飛ぶ自転車の作品は限られるんだろう?

 なんか鳥人間コンテストみたいな「空への挑戦」って話はあっても、「自転車が空飛ぶのは当たり前だよねー」をベースにした話って無いよね? 僕が知らないだけかな?

 え?「言いだしっぺのお前が書くんだよ」って?

 分かったよ。書けばいいんでしょ? 書けば。

 ほら、ひとまず2万字ほど書いたよ。

 これ、イメージとしては『エースコンバット』シリーズを意識しながら、それをスポーツに落とし込めないか、って感じだよね。

 自転車にしても飛行機にしても、比較的単純な物理法則で動いているのが共通しているから、意外と親和性が高いと思うんだよ。

 つーか、戦闘機マニアなら自転車もきっとハマるって。僕は逆パターンだったもん。

 あー、これボツにしようかな? それとも取っておこうかな。




5『エロで釣れ。自転車エロエロ物語』


 いやー、あれだね。最近『自転車露出主義』ってゲームにはまっててさ。

 ついに2作目まで買ってしまったよ。はっはっは……


 僕はふざけてない。ふざけてないよ?

 いや、実際にさ。僕がなろうアカウントを持っていた時期、ノクターンにもエロ自転車の話を投稿したら、それなりに受けたんだって。

 まあ、今も某所で規約ギリギリ(アウト)な内容を繰り広げていたり、いなかったりするんだけどね。

 で、思ったんだけど……


 シンプルなエロは普通に釣れる!!(真理)


 なんなら、なろう界隈の連中がほざいてる素人臭い創作論を参考にするより読まれる。

 俺tueee!!が何するものぞ。復讐もざまぁも婚約破棄も悪役令嬢も下らねぇ!

 時代に流されず、なろう系のブームに流されず、いつまでもトップに君臨するのは、エロだ!


 ただ、これもボツかな……

 え?何故かって?

 そりゃ、カクヨムでやったらアウトだからだよ。

 ああ、でもさ。今やってるママチャリ無双が一定の区切りを迎えたら、もう思い残すことも少ないかな。

 そうなったら、試しにギリギリでセーフかもしれないくらいの作品を実験で上げてもいい?

 まあ、BANされたらさ。その時はその時って事で。




 さて、焼酎も回ってきたところで、今日はこのくらいでお開きにしておきますか。

 あ、なんか読みたいのある? 可能な限りでリクエストにこたえるよ。

 もちろん、このネタをどっかに持ってって勝手に使ってもいいし、それで僕より人気が出たら万々歳だよね。

 ……しっかし、結局は連載しない作品を書いた文字数が、数万字のどんぶり勘定になるのはコスパ悪いなぁ。

 あ、だんだん涼しくなってきたので、ママチャリ無双もぼちぼち再開予定。こちらは未定だと思って待っててほしい。絶対エタらないから。

 未読の人は、いまのうちにゆっくり読んでくれてもいいのよ?

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