第79話 「文句はやってから言え」ってバカ丸出しじゃん
よう、古城ろっくだ。
今日は神曹達……いや、待って。ナニコレ?
やり直させてくれ。今日はジンソーダを飲んでいる。ジンを炭酸水で割っただけの飲み物だ。
使ったのはお馴染みTanquerayだ。ジンそのものが持つ甘さとハーブの香り。それからドライさを楽しめる。逆に言えば、ドライが苦手な人にはあまりオススメできない酒だな。僕は好きだ。
……それにしても、PCってたまにとんでもない誤変換をするよな。何だよ
さて、今日の本題は、誰もが職場や偉そうな人たちの会合で一度は耳にするであろう「文句はやってから言え」っていうセリフについて、だ。
これは僕が思うに、馬鹿が言う最上位のセリフだと思っている。なんならこれを真顔で言う奴は、よほど強欲な人間なのか、あるいは本物の馬鹿だと思っている。
ぶっちゃけ、「暇だったら仕事を探して」よりも酷い。馬鹿丸出しだ。
おっと!?まあ、待てよ。
君がもしその言葉を使ったことがあったとしても、ここで懺悔することではない。何しろ僕は他人の懺悔だとかを受ける立場にいない。君を許す立場にいないし、君から特に何もされてないからな。
ただ、もし君が今まで何の疑問も持たずにその言葉を使ったか、あるいは受け入れたかの経験があるなら、僕に申告しなくていいから、こっそり修正しておけ。人生はやり直しがきく。いつだってな。
僕が他人をあまりブロックしないのは、そういう理由もあるからだ。誰だって間違う。僕だって間違う。そして一度間違った人をいちいち嫌ってたら、キリがない。
そうだろう?
さて本題。なぜ上記のセリフが馬鹿丸出しなのか、という話をしよう。
答えはとてもシンプル。相手の立場に立って考えてないから、だ。
例えば、クライアント(以下、甲)が、依頼を受ける人(以下、乙)に頼みごとをすると仮定するだろ?
ああ、甲には好きな単語を当てはめてくれ。取引先でもいいし自分の会社の上司でもいい。あるいは親でも先生でも、親戚や近所のおじさんでもいい。乙には自分でも当てはめてくれ。
ぶっちゃけ、甲にしてみれば『甲が乙に、やらせたいことがある』んだよ。
そして乙にしてみれば『やりたくない(あるいは出来ない)理由がある』から文句を言っているわけだ。
そこで言うに事欠いて、「文句はやってから言え」だと?
馬鹿野郎!やってから言ったら後の祭りだろうが!!
極端な話をしよう。
例えば仕事で『通常の2倍の成果を上げろ。部下のバイトは使いつぶして構わん』と命令が入ったとしよう。
いや、バイトを使いつぶすこと自体が良くないのは、もう世間一般の常識だろう。
あれほど僕ら世代が、過労死だとか――精神的な病だとか――を引き起こしてきたんだ。ブラック企業に好き勝手させてきたせいでな。
そこに於いて、君は上司に文句があるはずだ。
「お言葉ですが上司。その方法で成果を2倍にしたとしても、企業にとって成果となりません。使いつぶされたバイトがSNSであることないこと吹聴するだけです」
当然の文句だ。
これに対して
「文句はやってから言え」
とでも返されたらどう思う?
「やってからじゃ遅いんだよ!!」
はい、正解。
気づいたか?
大体の場合、「文句はやってから言え」とほざきやがる人間は、『乙』の側に属していて、なおかつ『やった後なら何を言われても取り返しがつかない(自分が目的を果たした後なので、どんな文句を言われても痛くも痒くもない)立場にいる』のが前提だ。
つまり、交換条件を一方的に押し付けて、「俺様が文句を聞いてやるなら、お前はこのくらい働け」と、絶対に釣り合わない条件を出してくる。
そして後の祭りになって、自分の目標だけを叶えてから文句を聞くわけだ。乙にしてみれば「いまさら文句だけ聞かれても、もう戻らないじゃないか」って話だろ?
そこに気づいて、相手の立場になって考えられる人間は好きだ。
逆に言えば、そこまで考慮が回らない人間は嫌いだ。
……ただ、忘れないでくれ。僕は一発で誰かをブロックしたり、誰かを簡単に悪人と称することは無い。
もしこの中に、取り返しのつかない過ちを犯した人間がいたとしても、それを反省できる人間なら好きだ。
何度も言うが、懺悔は必要ない。あるいは、懺悔したいと願っても、受付先はここじゃない。
誰かに打ち明けて楽になりたいよな?それはどっかの神教の教会で済ませるか、あるいはスナックのママかホステスあたりに頼んでくれ。自分が信じる霊媒師か占い師でもいいぞ。好きにしろ。
まあ、この手の「偉そうな人と偉い人の見分け方講座」みたいなのは、僕ちょっと得意なんだ。好評だったらまた何かやるよ。何ならネタを持ち込んでくれてもいい。
偉そうなことを言うだけだったら誰でも出来るからなぁ。ほら、僕を見ていればよく解るだろ?そういうことさ。
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