第25話 古城ろっく流、アドバイスの生かし方

 よう、古城ろっくだ。いつまでも最新ページに『乳首にピアスを開けようと思ったら失敗した話』を乗っけておくのも恥ずかしくなってきたので、そろそろ新しい話を更新しようと思う。

 今回は特上のネタを仕入れたぞ。


 突然だが、青木健生という人物を知っているだろうか?恥ずかしながら、僕は全く知らなかった。なんか調べてみたら、漫画の原作をやっている人らしい。その作品についてもやっぱり全然読んだことはない。

 まあ、僕は普段からあまり漫画を読まないからな。アンテナが低いもんだと思って勘弁してくれ。

 その人が今、『タイトルだけを教えていただけたら、そこからこちらが思った・感じたことを140字以内でいつでも必ずお伝えします』という企画をツイッターでやっている。興味があったら自作を持って行くといいぞ。


 さて本題。もうお分かりだと思うが、僕もこの企画に『チャリンコマンズ・チャンピオンシップ』を送り付けてみた。このタイトルだけでどんな感想が帰ってくるのか、とね。

 あくまでタイトル『だけ』を読むという事だったので、答えはシンプルだ。ここに返答をそのままコピペする。




『そのタイトルでも普通の自転車レースものでは弱ペダなどに勝てないです。もし「ママチャリ選手権」など自転車を限定したレースにするならそれをタイトルにしても。男性選手限定かと思わせるようなタイトルは世界観が狭いと思わせるだけだと。タイトルで「売り」が明確に出せてないと思います。』




 なるほど。これは予想以上に高評価だな。

 ちなみにこいつ、基本的に容赦ない。場合によってはタイトルだけでなく、そこからイメージされる本編のコンセプトやテーマに関してまでダメだしをしてくるという踏み込みようだ。

 その男をして『まずチャリンコという韓国語由来の言葉とチャンピオンという西洋語を組み合わせてはいけません』だの『そもそも自転車をチャリンコと呼ぶこと自体が自転車ファンの好みに合いません』とか言わせなかっただけ健闘だろう。


 さて、ここで多くの作者は、ふたとおりの道をたどることが多い。

 ひとつは、このアドバイスを正面から受け止めて、言われた通りに改稿する。か、もしくは受け止め切れず筆を折るタイプ。通称『言いなり』とでも呼んでおこう。

 もうひとつは、このアドバイスを無かったことにして「あいつは何も分かってないんだよ。感性が古いんだ」とのたまうタイプ。通称『わがまま』とでも言っておこう。ちなみに5ちゃんねるに多い。おかげで僕も彼の存在を知ることができた。

 どちらも悪くはない。いや、善悪の話ではなく、その作者それぞれのスタンスの話さ。それでは僕はどっちだったのかと言うと、これまたどちらでもない。


 一見するとダメ出しに見える部分も、本人の意思がしっかりしているなら強みになるって話さ。




 細かく見ていこう。まず、「弱ペダなどに勝てない」という意見だが、別に勝つ必要は無い。

 このエッセイの冒頭でも語った通りだが、僕が書籍化デビューする意味も、作品自体が人気になる意味も全くないのだ。僕の目標はただ一つ。『自転車が道路での実権を取り戻すこと』である。

 なので、気持ちとしては『弱ペダが語り切れなかった自転車の魅力を描く』という気持ちでいい。おこぼれ頂戴だ。

 要は「同じロードバイクで同じ人間ドラマ的なのを描くぞー」なんてネタ被せをするのではなく、「こっちはロードバイク以外をメカ中心に描くぞー」が正解。狙うはコピー商品ではなく独創作品だ。


 次、『「ママチャリ選手権」など自転車を限定したレースにするならそれをタイトルにしても。』という意見だが、これも狙い通りだ。

 青木さんが言うには、「このタイトルだと自転車を限定したレースだと思えない」という事になる。そしてまさにその通りなんだから正解。こちらの意図をしっかり伝えることができたと判断していいだろう。


 まあ、何が言いたいかってーと、自分のやりたいことと相手のアドバイスを照らし合わせていくことが重要なのであって、相手のアドバイスにだけ合わせるのが重要なわけではないってことだよ。

 それを分かっている僕だからこそ、上記の評価を『予想以上に高評価』と称せた。青木さんがどんなつもりで言ったかは知らんが、少なくとも僕にとっては、自分の表現したいことをしっかり表現できていた証明になる。


 最後だな。『男性選手限定かと思わせるようなタイトルは世界観が狭いと思わせるだけだと。』ってところだ。

 これについては失念していたな。というのも、日本で『マン=男』って考え方はあまりしっかり根付いていない。たとえ女性ライダーでも『チャリンコウーマン』や『チャリンコレディ』などとは呼ばないはずだ。

 なのでこれでいいやと思っていたんだが、そう思わない人がひとりでもいたことを知れたのは良かった。

 ……なので、タイトルではなくキャッチコピーで補完することにした。

 カクヨムのキャッチコピーは、基本的にタイトルより目立って表示される。今になってせっかく馴染んできたタイトルを変更するのは愚策だ。もちろん『なろう』みたいにタイトルしか表示されないなら仕方ないが、ここはそうじゃない。

 このキャッチコピーの変更ができただけでも、今回は大きな収穫があったというものじゃないかね。




 まあ、僕の場合はこうやって、自分のやりたいことを一本、芯を通してやらせてもらっている。だからこそどんなアドバイスでもありがたく頂くことが出来るのだ。

 読者諸君も、気になったことなどがあったらどしどし意見を寄せてくれ。今後もよろしく頼む。

 さて、それじゃあ今日も夜ごろにチャリチャンの最新話を更新するぜ。多分な。

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