第93話 柔道は知らんけど、日本のスポーツ甘すぎじゃね?

 よう、古城ろっくだ。今日は魔王魂さん(?)の『シャイニングスター』という曲を聴きながら話していくか。

 いやー、これ結構いろんなところでフリー素材として使われてるよな。多分みんな「どっかで聴いた気がする」程度には知ってると思う。

 とある柔道youtuberもエンディングによく使っててさ。僕も最近その動画をよく見るようになったから、耳から離れなくてよ。


 さて、本題。

 ツイッターで話題になっていたんだが、小学生の全国柔道大会が廃止される運びとなったらしい。

 理由については、

「行き過ぎた勝利至上主義が散見される」

「大人が、子どもの将来ではなく、眼前の勝敗に拘泥する傾向があった。見つめ直す契機にしてほしい」

 という話だそうだ。あ、Yahooニュースから一部を引用。

 なんか、無理な減量の指示とか、保護者から審判へのクレームとかもあったらしいね。

 とあるツイッタラーはこれを『大人が子供を使った代理戦争』と呼んでいた。言い得て妙かもしれない。


 うーん……まあ、僕は柔道の事なんかまったく分からんのだけど、一応かつてのスポーツ少年として、日本のスポーツ業界(特に部活動やスポーツ少年団)の在り方については思うところがあるんだよね。

 なので柔道はさておき、僕が思う日本の少年スポーツ全体の印象を話していこうかな、と。




 上記のニュースに関して、

『そんな甘ったれたことを言っているから日本は弱い』

『やる以上は勝利を求めるのは当然。それを廃止することの方がおかしい』

 みたいな意見もツイッターで散見されたよ。で、僕が思うにさ。『日本のスポーツ業界は甘い』ってのは本当だと思うんだ。

 でも、だからこそ、だよ?

 スポーツ少年みんなに『勝利至上主義』を押し付けるような考え方は『指導者の甘え』だと思うんだよね。


――獅子ライオンは、我が子を谷底に落とし、登って来たものだけを育てる。


 その考え方でいいと思うんだよ。

 例えば柔道の試合をして負けた時。悔しくて泣く子や、次こそ絶対に勝つと誓う子がいる。そういう『谷底から這い上がってきた子』だけを、マンツーマン指導も上等とばかりに育てていけばいいと思うんだ。

 逆に、負けてもへらへら笑ってる子や、遠足気分が抜けない子がいる。そういう子は強くならなきゃいけない理由も勝たなきゃいけない必要もないので、放っておいていいと思う。

 強くなりたい人だけ育成して、他の子はただ遊ばせておいてもいいんじゃないか?


 ――え?「俺は指導者として、強い選手を何としても自分の手で育成したい」だって?

 うん。ならそうするだけの実力を身に着ければいいんじゃない?

 ぶっちゃけ、アンタが指導者としての実力を持っているなら、やる気のある子どもの方から「是非とも指導をお願いします」って来るはずなんだよ。実際、遠くからアンタに習いに来ている子がいるだろ?

 え?いないの?……それは、アンタに指導教官としての能力がないと判断されているんじゃないかな? 他の有名なコーチを見習って、自分自身を磨いたらどうだい?


 ん?「保護者が『ぜひうちの子を世界チャンピオンにしてくれ』と頼んでくるけど、自分は自信がない」だって?

 なら他所のコーチを紹介してあげてもいいと思うよ。保護者がそこまで本気なら、きっと子供のために引っ越しや遠方への送迎も辞さないだろうし。




 ぶっちゃけ、日本の選手育成環境は、確かに強い選手を輩出できるとは言えない場合が多い。もちろん例外はあるし、その例外からオリンピック選手などが出ている状態だが、全体的には『甘ったれてる』んだよ。

 例えばトップクラスの選手がランニングを終えた時、

「よし、じゃあ他のみんながランニング終わるまで待機してろ」

 ってさ……どうして遅い人たちに速い人たちを合わせなきゃならんのよ? もう遅い人たちは待たずに、速い人たちは次の練習メニューに進もうぜ。

 例えば誰かが遅刻したとき、

「連帯責任でみんな今日は練習中止」

 って――だからそうやってトラブった人に合わせてトラブらなかった人まで実力を下げる理由がどこにあるのさ?


 こういう『自分にも他人にも甘い指導者』が『甘い練習』を作り、『甘い選手』を生み出しているんじゃないかな。

 エンジョイ勢を無理やり強化している暇があるなら、その間にガチ勢の育成に力を入れた方がいい。それでもエンジョイ勢は勝手に楽しく遊んでいられるなら満足だろう。

 それが出来ないのに、エンジョイ勢をギリギリで使い物になる程度まで強化して、そのショボい経験だけで「俺は世界チャンピオンを育成するぞー」みたいな夢を見過ぎている指導者が多いのさ。

 もうちょっと現実を見て、身の丈に合ったことをしてもいいんじゃないかな。あくまでエンジョイ勢を遊ばせる程度の指導者――それもひとつの立派な生き方だと思うし、そこで満足した方が業界全体のためだと思う。




 あ、最後になるが、繰り返し言うぞ?

 僕は少年柔道の話は分からん。なので、あくまで僕が少年の頃に経験した、日本のスポーツ少年団や部活動における話というぼんやりしたものを、あくまで僕の印象で語っている。

 時代的にも、おおよそ15年も前のことなので、現在と大きく状況が違う可能性は高い。というか、違っていてほしいという願望すらある。

 あまり鵜呑みにしない事。また、現在の実態と違う点があったら指摘してほしい。僕にとって勉強になる。

 以上。今日は解散!











――おう、お疲れ。

 うん。余談なんだけどさ。今回の話、本当は現在やってる小説の番外編にネタとして組み込もうかと思ったんだよね。

 ほら、前にも女性のユニフォームがどーのこーのって話題になった時、こんなの書いたじゃん?


https://kakuyomu.jp/works/16816700426274880553


 それみたいな感じで書いておこうかと思ったんだけどさ。

 ぶっちゃけ、物語にするのって労力を必要とするんだよね。で、そこまでの反響を得られるほど面白い話だと思ってないから、エッセイでいいかな、って考え直したわけ。

 このエッセイの反響次第では、小説とかに組み込んでみようかな。

 今回は子供のスポーツの話だったけど、同じような体制が大人たちの会社でも起きている気がするんだよね。

 なんでパートやバイトにまで役職を押し付けて、本当に出世したい人を育成しないのか、とかね。

 じゃ、お疲れー。

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