第94話 読み飛ばせないものを読め
よう、古城ろっくだ。今日はFoo FightersのAll My Lifeって曲を聴いてる。
昨日のツイッタートレンドでこのバンドが出てきたので、何かと思ったらさ。……ドラマーさんがお亡くなりになられたらしいな。こんな場所でアレだが、お悔やみ申し上げる。
まあ、僕は洋楽をあまり聴かないし、このバンドもよく知らないんだけどさ。この曲だけは弾けるんだよなぁ。バリバリの裏拍から入る曲で、サビももう一小節欲しいところで終わるというノリづらい曲なんだが、そこが面白いよな。
さて、曲とは何の関係もない本題に行こう。
今日のテーマは『動画と文章、どちらの媒体が優れているのか』……に見せかけた『動画と文章、どちらを好む人間が優れているのか』という話だ。……いや、まあ人間の優劣っていうと、なんか頭悪く聞こえるだろうけどさ。
これまたツイッター界隈でよく耳にするようになった話だ。一部の知識人の方々が言うことには、
「最近は何かを調べても動画などで出てきてしまうが、自分は情報を吸収する速度が速いので、文章の方がテンポが速くて便利だと思う」
「動画は見るのに時間がかかってしまって遅い」
「動画と違って文章の方が欲しい項目にすぐたどり着けるから便利だ」
――らしい。
まあ、僕も共感できる部分はあるな。動画の切り抜きとか見ていると、(切り抜かれているにもかかわらず)目的のシーンまでの時間が長く、なかなか見たい場面にたどり着かないなんてことはある。
逆に、見たいシーンだけを細かく再生できるわけでもないし、考える時間が欲しい時にすぐ目的の場所まで戻せないのもイライラする。
……で、これは僕としても「認めたくないものだな」と言いたいところなんだがな。
この手の「情報の速度が~」みたいな言葉を(ネット回線などの機器的な意味ではなく)使用する人ってのは、一定の特徴がある。
僕も含めて、みんな陰謀論にハマりやすいのさ。ついでに悟りを開きやすいし、自分の信念とかをあっさり決める。そして決めたら最後、他人の話を聞く耳を持たない。
……最後の一つだけは僕に当てはまらないと思いたいな。もし僕が君の話に耳を傾けられなくなったら、その時は君の手で僕にとどめを刺してくれ。
まあ、話を戻そうか。
動画とか、読み飛ばせない構成の文章とか、あるいは音声をしっかり飛ばさず聞く人ってのは、視野が広いのさ。つーか、広がる。別に広い視野を持っていなくても、あっちこっちに視線を誘導されてしまう。
おかげで、妙な偏見や頑固さを持たない、柔軟な考え方が身に付くわけだ。
一方で読み飛ばしが可能な文章を、欲しい情報に関係したところだけ切り抜いて調べられるってのは非常にまずい。真実にたどり着きにくくなる。
例えば、某ワクチンに懐疑的な気持ちを持った時、何をする? もちろんワクチンについて調べるよな?
その時、懐疑的な気持ちを肯定してほしいなら、ワクチンのデメリットだけを調べる。その前後に書いてあるだろうワクチンのメリットや、あるいはデメリットの発生確率の低さなどには目もくれず、だ。
するとどうなる?
ワクチンのデメリットだけを切り抜いた記事や、出どころ不明のそれっぽい情報はどこにでも転がっている。そこだけをピンポイントにピックアップできるのが、文章の『便利』なところなのだ。
動画だと余計な話までついてくる。つまり、ワクチンのメリットだとか、まだ何とも言い切れないところとか、そういう不都合な真実がセットになって再生される。ついでに興味もない中華製の劣化版バイオハザード広告もついてくる。
さて、陰謀論に染まりやすいのはどっちだと思う?
僕も話をする側に回ると分かるんだけどさ。長々と講釈を垂れたり、前置きを語ったり、迂遠な例え話を出したりするのには、いろいろ意味があるのさ。
まあ、それをすべて君が読む必要があるか?と言えば、そんなことはないよ。
もし読み飛ばしたせいで意味の分からない部分があったら、遠慮なく僕に突っ込んでくれ。そしたら僕は「それについてはここで語ってるよ」って教えるだけだ。
まあ、今回の話を纏めると、だね。
僕みたいに欲しい情報を焦る人は、本当に大事なはずの情報を見落としがちになる、って話だね。
自戒を込めてここに記す。と同時に、みんなも気を付けてね。ネットって怖いから。
――と言いつつ、次回もまた、僕の勝手な偏見などを語っていく。
ここはそういう場所だからね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます