第92話 何ぃっ!?『お悩み相談に行ったら自分を否定された』だとぉ!?
よう、古城ろっくだ。僕がちょっと休みを取っている間に、カクヨムもいろいろ変わったみたいだな。
特にプロフィールな。そのユーザーのページに、自動的に『代表作』なるものが表示されるようになってしまった。
で、僕の代表作に選ばれたのは何なのか!?というと、チャリチャンでもママチャリ無双でもなく、このエッセイなんだ……
まあ、星の数では一番だからな。えっと、みんな応援ありがとうな。僕は嬉しいぜ。
さて、今日は甘茶さんのファミポップⅢ(別名、トロピカル無職)でも聴きながら、ラジオ番組みたいな長話でもしようか。メインパーソナリティは僕、古城ろっくでお送りするよ。
えー、このコーナーでは、2022年の2月20日現在より、リスナーさんからのお手紙や相談をお待ちしております。
大きな人生相談から、小さな日常の悩みまで、何でもお寄せ下さい。僕がサクッと解決してみせましょう。
今日は募集初日ということで、まだ誰もおたよりを送れないだろうから、エアコメを読んでいくことにするよ。
えー、P.N.『悩める子牛さん』から。
『古城ろっくさん、こんろっくー。
突然ですが、私は悩みがあります。それは、仕事の同僚のAという人についてです。
Aは仕事中、とても不真面目な態度を取ることが多いです。上司に敬語を使わない。会社にはいつも遅刻してくる。そのくせ要領はいいので、仕事では成果を上げています。
私は、そんなAが評価されているのが不公平だと感じてしまいます。協力して頑張っている他の人たちが報われず、職場の空気を悪くしているAが評価されるのが理解できません。
どうしたらいいですか?
……というのを、こないだyoutuberのBという人物に相談しました。するとBからは
「悩める子牛さんが気にしなければいいんじゃないですかね? Aさんは手助けを必要としていないみたいだし、放っておいても大丈夫でしょう。それより悩める子牛さん自身が頑張って仕事したらいいんじゃないでしょうか?」
と言われてしまいました。
私は同僚Aの事で相談に行っただけなのに、どうしてBにまで悪者扱いされなければならないのでしょう?
古城ろっくさんの力で、AにもBにもガツンと言ってやってください』
だそうです。
えー、このおたより面白いなぁ。まさかの二段オチなのか。てっきり同僚Aさんの話だけで終わるんだと思っていたから、僕もBさんと同じ答えを用意して聞いてたよ。
さて、悩める子牛さんに、回答しましょう。
ネットの相談コーナーなんてそんなもんです。諦めましょう。そして自分自身が目を瞑れば解決するなら、理不尽だと感じても譲歩しましょう。
周りに文句を言うより、自分自身の生き方を変えた方が、悩める子牛さんのためだと思います。
……え?「どうして悩める子牛さんは、Bさんからも古城ろっくからも文句を言われなきゃならんのだ」って?
あっはっは。そりゃまあしょうがないんだよ。
だって僕が声を届けられるのは、BさんでもAさんでもなく『悩める子牛』さんだけなんだからさ。
いや、例えば悩める子牛さんが、Bさんを連れてきてくれたなら話は別だよ。それなら僕だってBさんと話が出来るわけだし、そういう状況なら僕だってBさんに文句を言ってあげられる。悩める子牛さんの願い通り、ね。
でもさ。実際にはいないわけじゃん?
僕がBさんに説教する気満々だったとしても、Bさんはこのラジオを聴いてくれてない訳じゃん。
だったら、この放送を聞いてないBさんに説教するよりも、この放送のリスナーである悩める子牛さんに説教した方が、いささか解決に向かうわけだ。
もうこれに関しては、『どっちが悪いか』ではなく『どっちなら改善に向けて動けるか』だったりする。
所詮、僕も手の届くところにしか対処できない。だから手の届かないBさんではなく、手の届く悩める子牛さんに説教するしかないんだ。
あるいは時間をかけて、僕が手の届く範囲を広げるっていう方法もあるけどな。それはとても大変な方法だ。僕の手間がかかり過ぎる。
まあ、でも悩める子牛さんの気持ちも分かるよ。
本当は問題の解決なんかどうでもいいから、原因の究明が欲しい。あるいは原因の究明を通じて、自分が悪くないことを証明したい。ただそれだけだったんだよな?
解決がしたかったんじゃなくて、Bさんや僕と一緒に同僚Aをボロクソ言ってやりたかったんだよな。
――自分を認めてくれる仲間が欲しかったんだよな。
だったら、悩める子牛さんは手紙の書き方を工夫しなきゃダメさ。お手本を見せてやる。
見てろよ?こう書くんだ。
『Bさん。こんにちは。私は同僚Aです。
最近、私と同じ会社の『悩める子牛』って奴がウザいです。私が仕事に遅刻するだけで文句を言ってくるし、私が居眠りをしているだけで起こそうとしてきます。
仕事で成果を上げている私が気に入らないから、嫌がらせをしているんでしょう。
Bさんと古城ろっくさんは、悩める子牛さんをどう思いますか?』
このように手紙を書くと、僕もBさんも『あ、これは同僚Aに説教だな」って思うようになる。そうすれば悩める子牛さん的には嬉しいだろう?
まあ、要するに何かと言うと、
『何かを相談する場合、だいたいにおいて自分の改善点を指摘されるだけで終わる』
という話でした。
誰かに改心してほしいなら、それは改心してほしい奴も連れてって三者面談するか、あるいは自分でそいつを説得するしかないさ。
今回はここまで。
この番組では、皆様からの相談をいつでもお待ちしております。
誰かのせいで辛い思いをしているのに、さらに僕にまで文句を言われて辛い気持ちになりたい人、
自分だけが特別な事情を抱えているのに、その事情を知らない古城ろっくに訳知り顔で説教されたい人、
もうストレスで爆発しそうなので、その導火線に火をつけてとどめを刺してほしい人など、
もしいらっしゃいましたら、どしどしおたよりをお寄せください。
※2022年2月20日現在では、この募集は締め切っております。
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