第73話 同調圧力への対抗手段(後編)
よう、引き続き古城ろっくだ。前回からの続きの話をしよう。投稿されるたびに読んでくれている君たちにとっては今日初めて聞く話で、僕にとっては昨日の話だ。
ちなみに、僕は引き続き芋焼酎で失礼する。つまみも持ってきたぞ。スコーンのチーズ味だ。
チートスも強烈で美味しかったが、こっちもまろやかで美味しいな。
さて、本題。
前回は『同調圧力に対抗するなら、こちらも同調圧力を使うしかない』という話をしたと思う。
この方法、「何も解決していない」と思うかもしれないけど、それは世界を俯瞰して見た時に思うことだ。個人レベルの目線に立ってみると、人生を変えるほど大きな変化をもたらすことが出来る。そんな話だ。
まあ、きみや僕の人生が変わったところで、世界は何も変わらないって話なんだが。
それじゃ、同調圧力の作り方を説明しよう。これを意のままに操って、世界をひっかきまわそうぜ。
……そうだな。一例を出そうか。
まず、自分に能力がある人は、その能力を生かして普通に自分がトップに立てるグループを作ってくれ。以上。
それじゃあ、自分がそこまでの能力を持たない場合はどうすればいいのか。
まず、自分と似たようなグループを集めます。
例えば……そうだな。僕がバイセクシャルであることは説明したっけ?いや、まあ、そうなんだよ。
それじゃあ、僕と同じバイの人を集めるとしよう。……いや、数が圧倒的に少ないな。もっと手広く『LGBT』を集めるとしよう。
え?何?「自分はQです」だって?……分かった。『LGBTQ』を集めるとしよう。――え?「俺はAだぞ」って?……ああ、分かった。『LGBTQA』を集めよう。君たちは僕の仲間だ。同じ悩みを共有できる(できない)。
これで仲間は揃った。
少なくとも、この場において既に、とある同調圧力が発生する。『相手の性的趣向や性自認を批判しない』って形の同調圧力だ。なんなら、自称トランス女性のパス度ゼロ男性も仲間に入れてしまっている気がするが、まあいいや。
あ、ついでだから『差別』『人格否定』って言葉を使って、こちらへの反論をしにくい空気を作っておくことも重要だ。内側だけでなく、外側も固めるわけだな。「俺はノーマルだけど偏見はないぜ」って人も大歓迎だ。利用価値がある。
意外なことに、この方法を使うと『セクシャルマイノリティ』という名のマジョリティを結集できる。
え?現実では結集できていないのは何故かって?……そりゃ、一部の獅子身中の虫が、空気も読まずに「お前は違う」とか言い出すからだよ。それさえ無ければとっくに巨大な組織は出来ているさ。
さて、ここまで組織を作るのが完了したら、次は『敵』を設定しよう。何しろ、『味方』があるなら『敵』もあるのが世の常だからな。
そうだな……現代の日本において性差別や性的マイノリティが生きづらいのは、誰のせいだと思う?
そう。自民党だ。
自民党を潰せ。あいつらは何も分かっていないし、分かろうとする気持ちを持っていないんだ。だから我々は自民党を潰さなければならない。
……ほらな。同調圧力の一つとして『自民党は敵』って形が完成する。
ちなみに、これを「無理があるだろ」って思った人は、ツイッターなどを真面目に見てみてくれ。この無理が通るような状況は結構よくある。
この方法を使えば、自分に有利な状況を常に作り出し続けられるぞ。逆に言えば、悲しい事に、こんな方法でしか同調圧力を崩すことはできない。
できないんだよ……
ところで、このエッセイはいつもみんなからの意見や感想を待っている。このエッセイだけではない。僕の作品は全て、感想も賞賛も批判も批評も歓迎だ。
言論統制なんかない。読者は何を言っても許される。それがネット小説だろ?
ここにいる僕の友人たちなら、それくらいは解るよな?
もちろん、自分の言ったことには自分で責任を取らないといけない。それも自由を保障するための最低限の条件だ。
相手に何かを言われたとき、無視する自由やブロックする自由もある。当然だ。
無視された側は文句を言う自由もある。当然だ。
人間とは本来、自由を持つ生き物だ。
社会人とは、責任と引き換えに自由を持って初めて一人前だ。
よくいるクソみたいなマナー講師こと失礼クリエイターが「あれはダメ」「これもダメ」と、意味の解らないルールを増やしていくこの世の中。同調圧力のせいで『好きな作品を好きということすらはばかられる』みたいな空気もあるだろう。
そんな同調圧力を壊すには『何でも自由でいいだろ!』っていう同調圧力を作り出す必要があるんだ。誰もやらないなら、僕らがやってやる。僕と君とでやるぞ。この場のみんなで、だ。
え?「そんな批判屋の意見には賛同できない」だと?「人を傷つけるのはよくない」だと?
ふっふっふ。それでいい。君は今、僕を批判したな。僕を傷つけたな。それでいい!
見て見ぬふりなんかしたって無駄だぞ。君がそうやって目をふさいでいる間にも、新たな同調圧力はどこでも生まれているのだ。どうすればいいのかは分かるよなぁ?
この魔王、古城ろっくを倒したその剣で、気に入らないものは全て切り伏せるがいい。僕に今したように、な。
僕を倒しても、第二第三の魔王が必ず現れる。それが、君だ……ぐふっ!
まあ、茶番ついでにもうひとつだけ。これも茶番なんだが、比較的真面目なほうの茶番。
話はガラッと変わるんだが、自転車道の整備とかがきちんと進めばいいよな。
自転車ライダーにとって命の安全性が向上する。それだけじゃない。歩行者だって急に自転車に轢かれそうになることが減るし、自動車だって走りやすくなるぞ。
道路を利用する人たち全てにメリットのある話だ。
道路利用者で同調圧力を作って、自転車の安全な道を整備しようぜ。な。な。なななななー?
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