第34話 読書感想文なんて課題はいらない?
よう、古城ろっくだ。黒霧島って美味いな。個人的に大好きだ。
さて、今日はツイッターでトレンドに上がってきた話題。『読書感想文の課題って必要ないんじゃないですか』という話についてだ。今更になっちゃったけどね。
正直言うと、古城ろっくは義務教育の9年間で、一度も学校課題を真面目にやったことがない。つまり、めっちゃ外野にいるわけだ。その立場からものを言わせてもらうぜ。
これ、意外にも賛成派と否定派に分かれる。てっきり多くの人が「もう読書感想文なんか要らない」っていうんだと思っていたから、まあ意外といえば意外だな。
勝手にざっくりまとめると……
賛成派
「課題図書が面白かった」
「難しい本を読んで先生に褒められると、大人になった気がして嬉しかった」
「せっかく本を読んだのに、それを読んだだけで終わらせてしまうのはもったいない」
「表現の練習になる」
「これといって得意教科が無かったけど、これだけは得意だった」
などなど。いろんな人がいるらしい。
一方、否定派
「好きでもない本を読まなきゃいけない」
「つまらないのに褒めなきゃいけない」
「何を書けばいいのか分からない」
「400字詰め2枚も書けない」
「感想に正解や点数が存在すると、自分の感じ方が間違っているのかと不安になる」
などなど。
ちなみに、中立の意見みたいなのも多かったので、これが一概に正解の見えない難しい問題であることは確かである。
さて、この中からとりわけ面白いと感じた話を一つピックアップ。
「せっかく書いた感想文が作者に届かないのが残念。先生だけじゃなく、作者自身に伝わればいいのに」
こちらだ。
まあ、このコメント自体が僕の心に響いたわけじゃないんだけどさ。その着眼点である『誰に届けるのか』っていうのが大きなポイントになっているんじゃないかと僕は思った。
そもそも感想文に限らず、文章なんて『誰に』届けるのかを意識していないと、楽しく書けないんじゃないかと思うんだよ。小説でも何でも、ね。
え?「俺は誰にも届かなくていい物語を書いている」って?
それは誰にも届かなくていいんじゃなくて、自分に届けたいんじゃないかな。
さて、感想文の話に戻るけど、あれも「何の目的で誰に届けるのか」が分かってないと苦痛なんだよ。
憶測だけど、あの課題が得意だった人は『先生に自分の想いを届けたい』って気持ちで書いていたんじゃないかな。
ぶっちゃけ、きっと多くの子供たちは感想を文章にして伝えるのが好きなんだと思う。だから夏休みの宿題で、日記にわざわざ『今年見た映画の感想』だの『家族旅行の感想』だのを先生に伝えたがるんでしょ。自分の楽しかった体験を先生にも知ってほしいから。
例えば、
『先生。今日読んだ本が面白かったから、先生にも紹介したいんだ』
『先生。友達と一緒にこの本について話し合ったんだ』
とか……なんなら先生が相手じゃなくてもいいよ。
『作者さん。貴方の物語を読んでこんな気持ちになったよ』
『クラスのみんな。この本を読んでみてほしいんだ』
そんな気持ちを持って書いてみたら、割と書けるんじゃないかな。それに対する反応が良かったら、また書く気になるだろうし。
いっそ先生の方も、それを作文課題としての側面から採点するんじゃなくて、先生への個人的なメッセージだと思ってコメント返信していくと良いのかもしれない。もういっそ採点方式を取りやめにして、文法や論法もサイドメニュー化してさ。
うーん、もしかして、それだと授業にならない?
そんなことないよね。結局この課題は『順位をつける』が目的じゃなくて、『感情表現を磨く』とか、『感想の伝え方を学ぶ』が根底にあるんだろうし、なら採点はしなくて良くない?
もちろんそれ以外にも、「面白くない本を面白くないと言っても良いだろ」とか、「ラノベや漫画を禁止するな」とか、「400字詰め原稿用紙を使い切る必要は?」とか、
いろいろ言いたいことはあるんだけど、キリがなくなるから止めとくよ。
……え?
「古城ろっくは、誰に向かってこのエッセイを書いているのか?」
って話かい?
僕はこれを『部屋に招いた友達(読者)に聞かせている』つもりで書いているよ。
だから、最初に君たちの分も酒を注ぐんだ。そして目の前に君たちがいるつもりで、なるべく普段の語り口に近い言葉を選んで書いているつもりだ。
少なくとも僕は、カメラに向かって話をしたり、何百人もの聴衆の前に登壇したりって事は得意じゃないからね。だから、
……おいおい。何を振り返ってるんだよ。君だよ君。
このディスプレイの前に、君以外の誰がいるというのだね?
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