第38話 真・対等な目線で話さないか?

 よう、古城ろっくだ。昨日は悪かったな。まさか酔っぱらって本題を忘れるという大失態で終わるとは、前代未聞だったぜ。

 酒は飲んでも飲まれるなと言うが、飲みすぎても飲まな過ぎても書けなくなるとはな。難儀なもんだ。いや、本当にスマン。


 さて、今日は本題にすぐ行くぞ。ああ、でも酒は出そうか。えーと……昨日の日本酒がまだ残ってる。こいつにしよう。

 さあ、乾杯だ。


 和やかなムードで始まったが、今回も感想欄の話について、だ。

 もしかしたら、読者の中には「いや、それもういいから」って人もいるかもな。何しろ古城ろっくのことだ。また「読者は自由に批判していい」って話をするんだろう?とか思ってないか?

 はっはっはっはっは――


















 そうだよ(当然)


 いや、あまりにもこの界隈、作品を批判した読者に対する風当たりが強くてな。こいつは僕にとって、定期的に反旗を翻していかなければならない命題だと思っている。

 僕は、道路に自転車の通り道を作らせるまで、自転車PRをやめない!

 そして、小説界隈に批判自由主義を根付かせるまで、批判とそれを求める行為をやめない!

 と、決意表明も終わったところで、今日は『上から目線』に対して話をしていこう。


 最近、僕の周囲でもよく聞くんだよ。「上から目線で批評する読者がどーのこーの」「上から目線のアドバイスなんてどーのこーの」とね。

 で、僕は気になるわけだ。上から目線の批評やアドバイスと呼ばれるコメントがどんなものなのか、とね。

 実際に見てみると、「いや、言うほど上から目線か?」って感じのコメントが多い。読者は自分の思ったことを、特に目線の高さを気にしないで書いただけ。って感じかな。


『このキャラクターはこうした方がいいです(個人の意見)』

『この部分が意味不明です(質問)』

『設定が矛盾しています(報告)』

『ブクマを外そうか迷います(相談)』


 ……なーんだ。この程度に「マウントを取られた」って嘆いていたのか?だとしたら滑稽だぞ。

 きっと読者はマウントを取る気も何もなく、ただ足元を見ないまま無神経に歩いていただけだ。これでマウントを取られた気になっているなら、それはお前が蟻んこ並みに雑魚だっただけだ。僕なら丁寧に返答して終わる。

 実際、僕のコメント返信が意外と丁寧で驚いたって感想をいただくことが、稀にある。エッセイ本分でのガサツな印象とギャップがあるんだろうな。僕としては意識していないのだけど。

 僕が感想返信でうんざりすることがあるとしたら、それは進行不能バグみたいなのが起きた時だけだ。ある程度話すと、話が平行線になる事があるだろう?そんな時にまだ続ける奴とか、そもそも話が戻ってくる奴がいてな。それだけは勘弁。


 なあ、作者諸君に問いたい。

 君たちは読者から、『上から目線』の評価や感想を本当に貰ったことがあるか?あるいは、それを見たことがあるか?

 僕は貰ったことは無いし、見かけたこともほとんどない。いや、まったくないとまでは言わないが、非常に稀なんだ。

 ……少し、作者の方こそ上から目線になってないか?

『自分の作品をどう書くか。その決定権は作者にある』

 その通りだろうさ。

『その作品にどんな感想を送るか。その決定権は読者にある』

 だろう?

 なのに勘違いするなよ、カクヨムユーザーども。お前らは二言目には『タダで読んでるくせに』と読者を弾圧するが、お前ら(僕ら)作者こそ『タダで書いてるくせに』って立場なんだ。

 自分のサーバーでもないのに、カクヨム運営に金を落とさないで文章を書いているのは作者も読者も同じだ。

 頼まれたわけでもないのに小説を書く作者。頼まれたわけでもないのに感想を書く読者。……同じだ。

 まあ、他のサイトだと話が変わってくるけどな。例えばなろうなんかは、ページビューによる広告収入でサイトを存続させている。つまり作者はサイトに貢献してやっている立場になるわけだ(カクヨムは広告収入を作者に還元している)。

 でも、それだって作者だけでPVは作れないだろ。読者がクリックしてくれて初めて、ヒナプロの収入になる。そう言う意味では、やっぱり作者も読者もヒナプロに貢献しているのは同じってことだ。

 マグネットやノベルアップだと、むしろサイトに金を下ろしているのも、作者に金をくれているのも読者なんだよな。あの現金に換えられるポイントがあるだろ。あれの話さ。


 なあ、もう一度考えてみようぜ。

 作者はそんなに偉いか?読者に対して「上から目線で感想など書きおって……が高い!」などと言えるほど偉いか?

 僕たちは、作者も読者も、書く専も読み専も、何なら書籍化作家も底辺も、みな等しく『いちユーザー』だ。

 まずは、それを念頭に置いて接してみないか?

 その方が、作者の精神安定にもいい。いちいち悪意のない感想に対してまで「攻撃されたー!」などと騒ぎ立てていれば、そりゃ辛くもなるだろ。自分で自分の首を絞めているだけだぞ。

 この世に『上から目線』などない。ついでに言えば『下から目線』もない。

 目線の高さを語る前に、相手の言ったことを考えた方がいい。

 相手の目線の高さしか指摘できないなら、それは敗北宣言だ。






 ……あー、ひとつだけ致命的な問題があってな。

 このエッセイを読んでくれている僕の友人たちの中に、この話を分かってない奴ってのが多分いないんだ。つまり、僕は説教したい相手がいないところで説教をしたことになっちまう。

 本当なら、説教したい奴に直接ぶちこまないと意味のない話題なんだが、僕もここまで書いて初めて気づいたぜ。

 これ、どーしよ?

 短編にでも切り替えて上げ直すか?いや、そんなことしたって連中は読まないだろうし、そもそもカクヨムの短編エッセイって大して波紋を作らないんだよな。

 ツイッターに流すには長いし……

 そうだ。ツイッターで「書いたよ」って宣伝だけしてこよう。それで解決だろ。


 ありがとうブラザー。分かり切った話をしてしまってスマンな。

 まあ、定期的にこういう話題を上げていこうと思う。タイトルを見て「あ、今回はまた似たような話か」と思ったら飛ばすのも、君たちの自由だ。

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