第36話 初対面との信頼関係の話
キャプテンモルガンうめぇ!こいつはゴクゴク行けるぜ!(学習能力なし)
あ、どうも。古城ろっくだ。えへへー。今日は酔ってるよー。明日の朝は頭抱えてうーんってしてるだろうから、何してもいいよー。
さて、本題。
ツイッターで『小説への辛口感想なんて信頼関係がないと出来ないのに、それを見ず知らずの人に頼むなんて恐ろしい(意訳)』みたいな意見を見かけた。
ふーん。そんな風に思う人もいるんだねー。
先に古城ろっくの結論を述べてしまうと、ぶっちゃけ信頼関係ゼロの人間に辛口感想を求めるかと言われれば、それはない。だって、ある程度の信頼が無ければ『読んでくれるかどうか』すら分からないじゃないか。
ところで……
ところで、『初対面の人』と『信頼関係ゼロの人』はイコールだろうか?
僕はそうは思わない。
仮にだけど、相手に対する信頼関係を数値化し、0~100の値を振っていくとしよう。それをこのエッセイでは、暫定的に『信頼値』と呼ぶ。
ちなみに最小が0で、最大が100だ。この基準値を共有しないと「俺は古城ろっくの信頼値をマイナス100だと思ってるぜ」とか「俺は古城ろっくを100億万くらい信頼しているぜ」とかいうのが出て来るからな。
いいか?0~100の間だけで話をする。このすり合わせをしないまま話をするのは不毛だ。
で、初対面の人の信頼値が0かと言えば、そんなことは無い。ゲームだって初期レベルが0から始まるような作品は稀だろ。
そうだな……僕は初対面の相手を『信頼値20』くらいだと思っている。これは例えば、「金を貸してくれ」と言われたら事情と金額次第で貸す程度の信頼だと思ってくれていい。
いや、ぶっちゃけ見ず知らずの人に金を借りる状況って、かなり特殊じゃん?ってことは事情次第では貸してもいいと思えるんだよ。もし返してもらえなくても、金額に見合うだけの面白い話が聞けたなら僕は満足だ。
初対面の人に信頼を一切抱かないって人は、相当レアだと思う。
例えば君は、知らない人が『電話を掛けたいがスマホが壊れた。貸してくれ』と言ってきたら無碍に断るだろうか?僕なら断らない。もっとも、その人がスマホを持ち逃げしないよう、近くで見張る形にはなるが(笑)
例えば君は、知らない人に『道を教えてほしいんだ』と頼むとき、相手の説明を疑ってしまうだろうか?僕なら疑わない。その人が僕に嘘の道を教えて何になるんだという話だし、疑うくらいなら最初から訊ねていない。
そう。僕は最初から他人を疑ってかかるような真似をしない。まあ、もちろん少額とは言えないほどの金銭が絡む話とか、知られては困る個人情報が関わる話はまた別だが……
ぶっちゃけ、信頼値20とは結構の信頼を寄せられる関係なんだよ。
で、小説の辛口感想の話なんだが、これは基本的に金銭が絡む話でもなければ、個人情報が危険にさらされる話でもない。
なので、信頼値20の人間――つまり初対面の人間に対しても、普通にお願いできるし、なんならお願いしなくても書いてもらっていいと思っている。
読者「作者さん初めまして。初対面ですけど読ませてもらいます。辛口感想も書きますね」
作者「ああ、新規の読者さん初めまして。初対面ですけど読んでいいですよ。感想もご自由に」
……そんな変な状況じゃないだろ。
むしろ
読者「へっ。この作者の名前聞いたことないな。初対面だから読まない」
作者「こっちこそ一見さんお断りだ。初対面の読者なんか来るな」
の方がおかしくね?
まあ、作者の中には『初対面ならまずは感想で褒めるところからが挨拶だよねー』みたいな俺ルールを持っている人もいるのだろうけど、それマジでどこ地方のローカルルール?
まあ、あれだ。
最近は小学生に挨拶しただけでも『変質者』呼ばわりされるみたいだし、帰りに同じ駅から同じ夜道を通っているだけで『ストーカー』扱いされるとも聞く。
時代はもう、交流の気軽さを失っているのかもしれないな。せめてネット界隈では交流文化を維持してほしいと思うが、この分だと『ネット民はコミュ障ばかり』って偏見もあながち間違ってないのかもな。
悲しいもんだ。
さて、ここからは余談。「じゃあ古城ろっくにとって『信頼値0』ってどんな人?」って話だな。
信頼値とはプラスもマイナスも積み上げるものだと思っている。つまり、信頼値を40にするのも0にするのも、それなりに付き合いの長さか深さが必要になる。初対面で信頼値0はあり得ない。
そうだな……例えば、何度も僕を裏切ってきた野郎の信頼値は少しずつ下がる。そういう奴は信頼値0とみなしてもいいだろう。
例えば――あくまで例え話だが、
昨日そいつは、僕と一緒に居酒屋で飲んでいたのに、いつの間にか消えていた。それもご丁寧に伝票だけをしっかり残して、だ。
一昨日は「美味しいシュークリームが手に入ったからお裾分け」と言って、からしをたっぷり注入したそれを持ってきやがった。
先週なんて「可愛いコがいっぱいいる店があるから飲みに行こうぜ」と誘ってくれたわけだが、まさか猫カフェだったとは思うまい。
いや、確かに可愛い猫はいっぱいいたけどな。僕がせっかく新しいスーツでビシッと決めたのに、それが1時間で毛だらけになる気持ちを考えたことはあるか?クリーニング代も高いんだぞ?
先月なんて「きのこの山だぜ」って言って渡してきたけど、中身たけのこの里だったじゃないか。開け口のミシン目が綺麗だったから気付かなかったぜ。よく見たら箱の側面、のりしろを綺麗に剥がしてすり替えやがって。開けてからビックリしたぞ。
……え?何?
「来週日曜が合コンだから、な。後は分かるだろ。頼むよ」
だと……
ふむ。人数合わせか。相手の女子次第で――いや、待て。
お前は来週出勤じゃないか。これ絶対に合コンの人数合わせのお願いじゃないよな。シフト変わってほしいってお願いだよな。何が「後は分かるだろ」だよ期待しちまったじゃねーか!
このくらい信頼関係を裏切られ続ければ、さすがに僕だって自作小説に辛口感想をくれとは言いたくなくなる。こいつ絶対チャリチャンのコメント欄に『ツイッターから相互評価の依頼で来ましたー』って書くだろ。やめろマジで。
……まあ、こんな奴がいたら一周まわって親友な気もしないでもないが。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます