7.ユニークスキル『マザー』

「えっ?今のって天の声?ユニークスキル?マザー?」


突然久しぶりに聞いた天の声に動揺するサヤ。


この世界では、スキルや技などを獲得すると天の声と呼ばれる不思議な声が頭に響いてくる事がある。サヤが魔剣士の職業を得た時も、魔剣士として様々なスキルや技や魔法を獲得した時も、この声を何度も耳にしていた。


しかし、あまり戦闘に積極的に参加しなかったせいかサヤはここ最近天の声を聞く事はなかった。しかも、久方ぶりに聞いた天の声が言うユニークスキルという言葉にもまるで聞いた事がなかった。


それもそのはず。ユニークスキルとは、自分の心奥に眠るスキルで、このスキルに目覚める者はなかなかいない。何故なら、ユニークスキルとは、自分の自覚のない個性から生まれるスキルなのである。自分の自覚のない個性に目覚める人などそうそういない。故に、ユニークスキルはそれだけ超強力スキルである。


サヤは早速スキル確認をする為に、教わった通りに瞑想して自分の中にあるスキルを確認した。


「こ……!?これって……!!?」


サヤは自分のユニークスキル『マザー』を確認して驚愕するも、すぐに双子の赤ん坊を抱きしめる。


「ありがとう……!あなた達が……!私にあなた達と共に暮らす為の力をくれたのね……!!」


サヤは涙を流して2人にそう言った。サヤはそのユニークスキルは2人がくれたギフトのように感じていた。それだけ、サヤにとってこのユニークスキル『マザー』はこの子達と共に生きられる力だった。


サヤはなるべく綺麗な布を手に取り、それで2人を背におぶさるようにしっかり固定する。サヤは少しキツく縛り過ぎて苦しんでないだろうかと、赤ん坊の方を確認したが、双子のエルフの赤ん坊は2人共楽しそうに笑っていた。

それを見てサヤもつられて笑った。なかなか肝の座った子達だ。もしかすると、将来は私……いや、ギリアス以上の冒険者になるかもしれないとサヤは思った。まぁ、出来れば冒険者にはしたくないという気持ちも強いが……


「まずは…………貴方達の母親を奪った奴らから慰謝料をたんまりといただきましょう」


サヤは今まで彼女が見せたことがない冷ややかな表情を浮かべると、文字通り飛ぶようにある方向へ向かって走り出した。

ユニークスキルで強力された彼女には、エルフの里を襲ったスタンピードの位置を正確に把握出来ていた。故に、彼女はスタンピードの魔物達から彼女達の慰謝料をとる為に向かったのだった……




ユニークスキル『マザー』


娘がいて、娘を想う強い気持ちがある限り、このスキル保持者の全ステータスと全スキルと全技と魔法は大幅に上昇し続ける。


備考:母の愛は史上最強

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