28.奴隷商人

「言われた人物を連れて来ましたよ!グラニフさん!」


スバルは魔法で眠らせた双子を目覚めないように置く。グラニフはそれを離れた場所で見る。グラニフは自分が2人への防犯魔法を登録されているのを察していた。だから、2人を攫うのをスバルに任せたのだ。


「ご苦労だったな」


「しかし……この2人を攫って本当にあの女冒険者に痛手を与えられるんですか?」


「あぁ、間違いなくな」


グラニフはスバルに2人がサヤの娘だという事は伝えていない。2人を誘拐すればサヤに痛手を与えられるとしか聞かされていなかった。だから、これからグラニフがする事も聞かされていなかった。


「おい!呼んでおいた奴隷商人を呼べ!」


「へい!!」


「えっ!?ちょっと待ってください!?奴隷商人って!?この2人を使ってあの女冒険者に謝らせるんじゃ……!?」


スバルは2人を盾にしてサヤに土下座させるつもりだと思っていた。しかし、グラニフの考えはスバルとは全く考えが異なっていた。


「はっ!!まさか!そんな事ぐらいで俺の気が治るかよ!」


「いや……でも……」


「うるせぇ!お前は黙ってろ!!」


グラニフはスバルを殴って無理矢理黙らせる。そして、その間に奴隷商人がグラニフの元に現れる。


「そこの少女が売りに出す娘達か?」


「あぁ、そうだ。さっさと鑑定してくれ」


「へぇ〜……こいつはエルフですかい!「テリュカ」ではエルフは珍しいって聞いたのに、まだこんな若いエルフがいたんですね!」


まだ若手らしい奴隷商人が双子のエルフの顔見てそう言うと、何故か先輩の奴隷商人が顔を真っ青にした。


「何!?エルフの子供だと!!?」


その奴隷商人は慌てて双子エルフの顔を確認する。そして、その顔を改めて認識し、その奴隷商人は真っ青から顔面蒼白状態へと変わる。


「……逃げるぞ!!今すぐに!!!」


「えっ!?でも……まだ鑑定が……!?」


「そんなのはいいんだよ!!いや!してはダメだ!?黒髪の鬼が来るぞ!!?」


「なっ!?黒髪の鬼ってどういう……!!?」


すると……


ドッカアァァァアァ〜ーーーーーーーーーーーーンッ!!!!


グラニフ達がいたボロ小屋の屋根が突然ぶち破られ、そこから、奴隷商人が絶対に手を出してはいけないブラックリストに認定されている黒髪の鬼……サヤが舞い降りた。

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