20.3日後……

そして、サヤが物件を購入してからちょうど3日後。ラナやシアやディアスにアロマ、コロナまでもその場所に行ってみると……


「うわあぁ〜!?すごい!!」


「綺麗なお家が出来上がってる!!」


ラナとシアは感動で目をキラキラと輝かせている。それだけ、3日で仕上げたとは思えないぐらいの立派な木造の家が出来上がっていたのだ。すると、家の中から何故か捻りハチマキをしたサヤが出てきた。


「ラナ。シア。どうですか?この家は?」


「うん!お母さん!いいよ!このお家!」


「私このお家とっても気に入った!」


愛娘の言葉に嬉しそうに頷くサヤ。


「中も出来上がってるわよ。入りましょう」


『うん!!』


サヤに促されてラナとシアは家の中に入る。アロマやディアスやコロナも呆然としながらも家の中に入る。


そして、中に入ると……


「うわあぁ!?もうすごいとしか言ってないけど!本当にすごい!!」


「うん。私もラナと同じ。もうすごいとしか言えない」


中も木造の机や椅子。流石に木造ではないが台所にお風呂。更に、ベッドまでも置いてあった。アレだけボロボロの家だった物がたった3日でこれだけ立派な住宅が出来上がっているのに、アロマやディアスやコロナはポカンと口を開けて驚くしか出来なかった。

しかし、アロマは別の事に驚いていた。


「ねぇ、サヤちゃん。もしかしてこの家に使ってる木って「神妖樹」?」


「神妖樹」、それはアロマがまだエルフの里で暮らしていた時、エルフの里の住宅に使われていた木材だった。


「さぁ、この木は譲ってもらったものなので」


「譲ってもらったって!?まさか!?サヤちゃん!ドライアドに譲ってもらったの!!?」


アロマは非常に驚いていた。ドライアドは、森の管理者を名乗る妖精族で、「神妖樹」とはまさに、ドライアドが生み出した木なのだが、エルフ族はとある事情で木を融通してもらっているとアロマは聞いた事はあるが、自然を破壊するような行為をする人間に対してあまりいい感情をもってないドライアドが、人間のサヤに「神妖樹」を融通するとは思えなかった。


「アロマが考えてる通りですよ。この家の木は「神妖樹」です。私がサヤに融通しました」


「んなぁ!?あなたは!?アルテミス様ぁ!!?」


突然現れた凄い美女に見えるが、人間とは思えないその存在に、アロマは珍しく素っ頓狂な叫びを上げて驚いた。が、アロマがこんな反応するのも無理なかった。


彼女こそ、ドライアドが住む森で、ドライアドの長を務めているアルテミスその人だった。突然のドライアド長の出現にディアスやコロナも驚いていた。

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