13.動き出した陰謀
ゴロの拳をサヤはガードも避ける事もせずに受け止める。昔のサヤだったら振り上げられただけで怯えて縮こまっていただろうが今のサヤなら……
「〜〜〜〜〜ッ!!?」
殴った方のゴロが痛さのあまりに殴った手を抑えて床でゴロゴロと転がり回っている。
サヤの防御力は幼い頃よりも圧倒的に上がり、今では上級ランクの冒険者をも凌ぐ程だ。そのサヤは一般人であるゴロが素手で殴るのだ。硬い鉱石を殴ったようや感覚を味わっている事だろう。
「もうこれでお終い?」
サヤはゴミでも見るような瞳でゴロを睨みつける。昔、何故自分はこんな男に怯えていたのだろう?何故こんな男の愛情を少しでもいいから欲したのだろう?そんな気持ちが湧いては消えてゆくサヤ。
「……ッ!?お前!それが親に向かってする態度か!!?」
「さっきも言ったでしょ。もう私はあなたを親だと思ってないって……」
最早ゴロの事など眼中になく、若干味が薄いコーヒーを飲むサヤ。
「……ッ!?覚えておけよ!!?どうなっても知らないからなッ!!?」
最後に捨てゼリフにもなってないセリフを残して去って行くゴロ。それを興味もなく見つめるサヤ。
「自分の分のコーヒー代ぐらい払ってきなさいよ……まぁ、期待しちゃいないけど……」
ゴロは前から賭け事ばかりしていたのは知っていた。だから、ゴロが借金まみれになってるのは簡単に想像出来た。
そして、サヤは2人分のコーヒー代を支払い店を出た。
一方、家で留守番をしているラナとシア。すると……
「すいません!テリュカ配送です!お荷物を届けに来ました!」
という声がして、ラナとシアはお互いに顔を見合わせる。
「配送の人?シアはお母さんから何か荷物が来るって話聞いた?」
「ううん。全く聞いてないよ」
色々あったので、サヤは必ず配送の人が来る日はチェックを付けてくれているが、今日はチェックが付いていない。よって、チェックが付いてない日は絶対に扉を開けてはいけないとサヤに言われている。
「じゃあ、このまま居留守を使った方がよさそう?」
「ん。それが一番」
2人は居留守を使うことに決めた。が、何故か2人は急に2人共に眠気が襲いかかり、そのまま2人は気を失ったかのように眠りについてしまった……
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