23.逆恨みの冒険者2人

「チキショウ!!」


グラニフは辺りにある物を蹴飛ばしていくが、それでもグラニフの怒りは治らない。

グラニフは、サヤが建てた家を見て驚いたと同時にまたサヤへの嫌がらせに失敗した事に腹を立てていた。サヤが家を作ろうとしていたのは最初の日に木材集めをしている時点で分かっていたが、素人程度にそんな物作れるはずがないと思っていたら、あんな立派な家が建っていたのだ。


「いっそ……あの家を事故に見せかけて燃やして……いや、ダメだな……あいつがそんな対策をしてない訳がない……」


グラニフはサヤが建てた家を事故に見せかけて燃やそうと考え、すぐに却下した。サヤの用心深さは身に染みて分かっている。現に、グラニフはサヤへの嫌がらせをする為に娘達に手を出そうとしてあっという間に地獄を見せられた経験がある。


「くそう!?なんなんだよ!?あいつはただのゴミ屑だっただろう!?それなのに何で……!?」


「テリュカ」でも当然冒険者は優遇されている存在である。高ランク冒険者になると尚の事だ。故に、冒険者になろうとする者は沢山いるが、冒険者になる為には適正職がないとなれない為、それがない者は一般市民として暮らしていくしかなくなる。

そして、グラニフ適正職「重戦士」を得て冒険者になり、Cランク冒険者になってかなり優遇される存在になり、若干天狗になっていたが……


それが、10年前のあの日にポッキリ折られる事になる。他ならぬサヤの手によって……


「クソが!!?」


グラニフは再び辺りにある物を蹴飛ばして当たり散らす。あの日以降、あれだけいた仲間は半分以上いなくなった。グラニフはこれ以上減らさせない為死にものぐるいでBランク昇格試験をなんとか及第点でクリアした。そのおかげか、また仲間も徐々に増えてご満悦になったグラニフだが、世間の評価は、スタンピードを何回も潰しているサヤの方を評価していた。


「何かないのか!?何か……!?」


グラニフはどうにかサヤへ嫌がらせを出来ないか頭で色々と模索していたら……


「くそう……!何がスタンピードクラッシャーだ……!あんなの……!俺より少し上の女ってだけだろう……!!」


自分と同じように悪態をつきながら歩いている少年のスバルを見たグラニフ。聞こえた内容によると、どうやらサヤを相当恨んでるようだ。


「よう。お前。ちょっといいか?」


「あぁ?」


グラニフはニヤニヤと笑いながらスバルに声をかけた。

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