35.サヤ動きます

騎士やら冒険者やら集っている前に降り立ったサヤはまず、エイーダの前に行くと、異空間魔法で先程放り込んでいたグラニフ達とスバルを出した。


「こいつらが私の娘を攫ったバカ達よ。しっかり捕縛しておいてちょうだい」


「それは良いが随分と遅かったの。娘達とデートでもしとったのか?」


「そうよ。悪い」


エイーダのジョークをしれっと普通にそう返すサヤ。エイーダはそんなサヤに呆れた溜息をつく。

そして、サヤは次にコロナの前に立つ。


「ラナとシアをお願い」


「えぇ、分かりました」


コロナはいつもと同じように笑顔で了承しサヤを送り出す。


「お母さん……」


「大丈夫……?」


ラナとシアは不安そうな顔でサヤを見つめている。いくらサヤが強いと分かっていても、2人はいつでもサヤが心配なのだ。

そんな2人の不安を和らげる為、サヤは2人を優しく抱きしめる。


「大丈夫よ。今日はハンバーグだけじゃなく、ラナの好きなコンポタージュも作ってあげるわ」


そう言ってサヤは2人に微笑みかけ、すぐに2人に背を向けてスタンピードに向かって行く。


「ちょっ!?待ってください!!?いくらなんでも1人では!!?」


1人で3つのスタンピードに向かって行くサヤをコタローは呼び止める。流石にサヤが「スタンピードクラッシャー」と呼ばれていても、3つのスタンピードをどうにか出来るとは思えなかった。


「あなたは知ってるかしら?」


「えっ?何をですか?」


「娘の養育費はすごくかかるものなのよ。だから……せっかく娘の養育費を荒稼ぎ出来るチャンスを逃す手はないわ」


サヤは呆然とするコタローを無視し、魔物達の前に立ちはだかる。


「さぁて、今日も娘の養育費を稼ぎましょうかしら」


サヤがそう言った直後、3つのスタンピードの魔物達の動きが鈍くなった。

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