40.グラニフの判決

「この過半数の嘆願書により、ワシが特例でサヤにラナとシアの里親の本契約を認可したのじゃ」


エイーダが更にそう付け加えると、グラニフは真っ赤にして怒鳴りだした。


「ふざけるなッ!!?それは法律のルールを無視した依怙贔屓じゃねえか!!?」


「確かに特例じゃが、国の民の過半数の嘆願書に加え、サヤが親として立派にやってきた証言。何より、ワシもこの目で何度か確認しとる。十分に特例を認めてもよいと思うのじゃが?」


エイーダの言葉にグラニフも押し黙ってしまう。サヤが2人の娘を過保護過ぎるぐらいに育てていたのは自分が一番痛いほど分かっている。


「さて、もう反論はないな。では判決を……」


「待て!!?俺はBランク冒険者だぞ!!?俺が冒険者じゃなくなったら困るのはこの国だぞ!!?」


グラニフは無職扱いを受けたくない為、必死で最後の悪あがきをした。エイーダはもはや呆れ果て溜息をつく。エイーダはすぐに何か言おうとしたが……


「お前なんて居なくなっても困らないんだよ!!」


声をあげたのはエイーダではなく、傍聴席にいた人々だった。


「そうよ!あなた!迷宮攻略なんて1、2回しかしてないじゃない!!ダンクさんの方がよっぽど迷宮攻略してるわ!!」


「周辺魔物の討伐だって圧倒的にサヤの方が多いじゃねえか!!」


グラニフとダンクとサヤの活躍の違いを述べる者もいれば


「それだけじゃねえ!お前!いつもうちの店の物勝手に持っていきやがって!Bランクだからってもうこっちとら我慢の限界なんだよ!!」


「サヤちゃんは値切り交渉はするが、ちゃんと正当な交渉で金を払ってるが、お前は自分がBランクだからって勝手に持っていてばっかじゃねえか!!」


「ワシが道で倒れていたら、お前さんは「通行の邪魔するな!ババァ!」と唾を吐きかけよったくせに!その後、娘達とお出かけ中だったサヤちゃんは、ワシを背負って、娘ちゃん達にワシの荷物を持ってもらって、ワシの家まで送ってくれたんじゃぞ!!貴様とはえらい違いじゃわい!!」


グラニフの普段の行いと、サヤの普段の行いの違いを交えて言う人々が多数いた。


それを聞いたサヤは再び驚いて目を見開く。サヤは自分はそんなに好かれてはいないと思っていた。娘2人の事しか考えてないサヤは他の事は割と気にしていなかった。

しかし、やはりどこまでいってもサヤはサヤである。一番に想うの2人の娘であっても、基本は困ってる人は放っておけないのである。だからこそ、ラナとシアはそんな母親に憧れと尊敬を抱いているのだ。


エイーダは騒がしくなった傍聴席を見てニヤニヤしつつも、「静粛に!静粛に!」と声をかけて傍聴席を鎮める。


「ワシがとやかく言うまでもなかったな。では、グラニフ・テングスとその仲間達に裁きを申し渡す!グラニフ・テングスの仲間達は全員冒険者証剥奪!グラニフ・テングスは冒険者証剥奪はせんが、国外追放の上!二度とこの国への立ち入りを禁ず!!」


エイーダの判決に傍聴席から騒めきが起きた。

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