27.コタロー達の目撃

一方、コタローはダンクより休暇を言い渡されていたが、早くサヤに追いつきたい気持ちの強いコタローは簡単な依頼を受ける為にギルドに向かっていた。

そんなコタローの付き合うべく朝からサリーとエリナがコタローの元に訪れ、現在は3人で冒険者ギルドに向かっていた。


「ん……あれは……?」


ギルドに向かう道すがら、コタローはだいぶ離れた所に見知った顔を見つけて驚く。


「どうしたんですか?コタロー君」


「いや、あそこにスバルがいたからさ……」


「うげぇ!?見つかる前にギルド行こうよ!」


スバルに酷い目にあわされたエリナは早く行こうとコタローを促す。サリーもサリーであからさまに嫌悪の表情を浮かべていた。


「いや、ここからだいぶ離れてるし、なんか荷物を二つ運ぶのに夢中で気づいてないと思……」


コタローは2人に心配ないと告げようとした時、コタローはその目の良さから見てしまった。スバルが麻布に包んでいたものが走った勢いで剥がれ、スバルが運んでいた物が何かを……


「待て……!!?スバル……!!!」


コタローはそれを見た瞬間に激昂しスバルを追いかける。サリーとエリナは何事かと思いながらもコタローの後に続く。

コタローは必死に走ってスバルを追うが、スバルと距離が離れていたのもあり、しかも、スバルはすぐに馬車に乗ってしまい、コタローは完全にスバルを見失ってしまった。


「はぁ……!?はぁ……!?どうしたんですか!?スバル君……!?」


「何……?またスバルがなんかやらかしたの……?」


コタローにようやく追いついたサリーとエリナが肩で息をしながらそう聞いた。


「スバルが運んでいた物……アレは間違いなく人……いや、エルフの子供だった……」


「えっ!?いや……いくらスバルでもそんなヤバい事は……?」


「けど、エルフ特有の耳をしてたし、マネキンとかの感じはしなかった。それに……スバルの表情……」


コタローにはスバルの表情が気になっていた。その表情は荷運びで大変そうにしている顔ではなかった。まるで、これでようやく仕返しが出来ると言ったような……そんな……


「そう言えば……サヤさんが双子のエルフを娘にしたって……」


そこで、コタローはすごく嫌な考えに思い至り、コタローはすぐさま今度は冒険者ギルドに向かった。サリーとエリナも慌ててコタローの後を追う。




一方、サヤの方は……


ビ〜!ビ〜!ビ〜!ビ〜!


「ッ!?これは!?登録外人物以外がラナとシアに何かした警報!!?」


サヤはラナとシアに防犯魔法をあらかじめかけていた。登録された者がラナとシアに近づけば警報を鳴らし、登録された者以外がラナとシアに何かした場合でも警報が鳴る仕組みになっていた。

今回は後者になったのは、サヤがスバルの事をよく知らないので、スバルを登録していなかったのが原因だった。


「早くラナとシアの元に向かわねば!!」


サヤはすぐにラナとシアの元に向かおうとするが、それを邪魔するのが、ポイズンベアーのユニークモンスター、ヒドラベアーである。ヒドラベアーは体液の全てが猛毒で出来てる熊型魔物だ。

そのヒドラベアーがサヤの前に立ちはだかる。ヒドラベアーの咆哮、その咆哮にも毒を与える効果がある。本来なら、これを食らった冒険者は強力な猛毒をくらうのだが……


「えぇい!鬱陶しい!!」


サヤには全く効いてなかった。というのも、サヤは数時間の間耐性攻撃無効の魔法を獲得していた。それを常にかけて戦っていた結果、数年間耐性攻撃を受けなかった者に与えられるレアスキル「全耐性無効」を獲得していた。だから、ヒドラベアーの毒攻撃は全く通じていなかった。故に……


「邪魔ですッ!!!!」


サヤの剣でアッサリとヒドラベアーは一刀両断された。サヤは魔石を無視して2人の元に向かおうとも思ったが、2人が怪我をしていた場合の治療費が必要だろうと魔石を拾い、全速力で2人の元に向かった。


ついに、最強最凶の母親が愛する娘を助けるべく動いた……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます