パリ
ポルトガルにいた魔物たちを殲滅し、スペインにいた魔物たちを殲滅し、僕はそのままフランスへとやってきていた。
「流石にフランス。一応、戦うことは出来ているみたいだね」
フランスではある程度、戦うことが出来ているようで、辛うじてではあるもの、迷宮大氾濫を何とかするための戦闘は行えていた。
まぁ、だからと言って、国民の大多数が避難所暮らしを強制されているという現状はスペインと変わっていないみたいだったが。
「パリは燃えているかな?」
もう少しでパリだ。
そんなところまでやってきた笑みと共に独り言を漏らす。
フランスの人たちには申し訳ないが、どうしても僕にはフランスのパリに対して、いつも燃えているようなイメージがあった。
「まぁ、そんなことはどうでもよくて……」
僕はせっせとフランスで戦っている人たちに、自分の魔物について知らせるための手紙をしたためていく。
フランスで戦っている人たちが思ったよりも多くて、全然意思疎通が出来ておらず、想像以上にフランスの人たちからの攻撃を受け、僕の魔物たちが潰されてしまっていた。
僕はこのままドイツにまで行くつもりなのだ。
ここで魔物たちが想像以上に削れてしまうと、ドイツにまで行けなくなってしまう。
「……んぁ?」
そんなこんなで、せっせと頑張っていた僕はその途中で自分の元にまで届いた魔物からの報告に反応する。
「何かを見つけたぁ?」
僕の元に魔物から届いた報告。
それはパリの郊外にある一つの都市において、怪しげな地下へと通じる竪穴を見つけたというものだった。
「……ふむ。行ってみるか」
僕はフランス政府ともしっかり定型している。
フランスが国として用意している秘密の場所の位置も把握している。
ただ、今回、魔物たちから報告を受けた場所にフランス政府の用意したものがあるという話は聞いたことがなかった。
つまり、フランス政府の管轄にないものがそこにある可能性が非常に高い。
もしかすると、全然特別性などない民間人の作った者である可能性もあるが……行ってみるだけなら無料だ。
「行ってみようか」
僕は迷いなく、自分の魔物が報告してくれた場所へと向かって行くのだった。
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