突き進め

 330階層からどんどんと降りていって、現在は332階層。

 僕と時雨は今、そこを攻略している真っ最中だった。


「思ったよりも数が多いですねっ」


「そう、ねっ!」


 入り組んだ迷路になっている332階層を進む僕たちは次々と現れる魔物たちと激しい戦いを繰り広げていく。

 

「……ウザったい」

 

 この階層内で出てくるのは大量の虫型の魔物たちだ。

 僕は自分の周りに集って来ている蜂の魔物に刀を振り、次々と切り伏せていく。


「はぁッ!」


 その横では、時雨さんもまったくもって同じことをしている。


「ぎちぎちぎちぎち」


「「ぎちぎちぎちぎち」」


「「「ぎちぎちぎちぎち」」」


 なんてことをしていた間に、今度は別の道から顎をこすりながら音を立てる、大量の蟻の魔物たちが自分たちの方に向かってき始める。


「こっちの方はお任せを」


 すぐさまそちらの方に意識を移した僕は早速、自分たちに任せてくれていいと声をかける。


「暴兎」


 そして、そんな自分の言葉に対する時雨さんの答えを聞くよりも前に、大量の兎たちを召喚。

 一匹一匹は弱い、されど、数が凄まじい兎たちを蟻の魔物にぶつける。


「よし、向こうはこれでよし……」


 蟻の魔物はこれでいい……既に、この場で集って来ていた蜂の魔物たちの量はかなり減っている。

 このまま倒しきってしまおう。


「……らす、とっ!」

 

 僕は刀を蜂に向かって振り下ろし、自分たちへと集っていた彼らの最後の一体を倒す。


「ふぅー、疲れた」


「そうですね」


 マジ、多すぎ。

 僕が数へと対抗するためにここで魔物たちを大量に召喚してもいいが、まだまだ攻略は始まったばかり……あまり、手札は切りたくない。

 というわけで、出し渋って動いているわけだけど、それがちょっとキツかった。

 出来るだけ、早くここは抜けてしまいたいな。


「蟻の魔物はどう?倒せる?」


「……いや、まだまだですね。というより、自分の兎たちでは単体の能力の差が故に全然勝ててないですね。肉壁として、侵攻を止めているだけです。数がなくなることもありますから、さっさと移動しましょう」


「そうね」


 僕と時雨は蟻の魔物をスルーし、別の道を進んでいく。


コメント

・やっぱ、無法だろ、この力

・なんでもありだな、ズルすぎだろ

・詐欺師が邪魔

・時雨ちゃんの動き、今日もキレイ……


 その間、僕は何気なくコメント欄を眺める。

 一番最初の頃はありえないくらい荒れていたが、段々とその荒れ具合も鎮圧化されつつあり、平和な配信へと様変わりし始めている。

 いい傾向だね。


「カンヌシ」


「んっ?」


「333階層に降りるための階段が見えてきた……事前のチェック通り」


「おー、良いね」


 333階層は複雑な迷路となっており、それが一番の難関とも言っていいようなステージだ。

 自分たちよりも先にここを攻略していたSランク冒険者なんかは、三週間くらい迷いっぱなしになったという話もあるくらいには難関な迷路……であるのだが、僕たちには輝夜がいる。

 神託により、未来を見通すことの出来る輝夜からのアドバイスにより、僕たちはこの迷路を最短で抜けるための術を最初から知っていた。


「「「ブブブブブブブブ」」」


 階段が見え、このまま332階層を走り切ってしまおうとした僕たちであるが、その前に、大量の虻の魔物が立ちふさがってくる。

 その数はパッと見ただけでも五百はおり、それを全滅させるのはかなり骨が折れそうな感じだった。

 今、前にいる虻の魔物は確実な脅威である。


「黄龍、麒麟」

 

 しかし、その脅威の前には僕が召喚した二体の魔物が立ちふさがり、一気にその魔物を蹴散らして一つの道を作り出す。


「よし、このまま突っ切りましょう。戦うのは面倒です。うまみもないですし」


「わかった」


 二体の魔物が作ってくれた階段へと至る道。

 そこを僕と時雨さんは走り抜け、階段にまで足をつける。


「もういいよっ!」


 階段へとたどり着いたところで僕は二体の魔物を札の中に戻す。


コメント

・はやくね?

・もう迷宮を攻略したの?うそでしょ?

・やばぁw

・もう333階層か


 これで332階層は終わり。

 僕は時雨さんと共に333階層に向かって行く。


「332階層、想像以上に大変だった」


「そうですね。ここまで、魔物たちが強力だとは思わなかったです。いやぁ……数ってのは脅威なんですね」


 おまいう案件ではあるけど。


「そうね」


 なんてことを話しながら、僕たちは階段を降り切って333階層へと踏み入れる。


「えっ……?」


 そんな、僕たちを出迎えたのは一人の青年だった。

 ここは深層。

 並みの冒険者では立ち入ることの出来ない魔境である……そんなところで、何故、人が。


「早かったね。ちょっと驚いたよ」


 僕たちの前にいる一人の青年。


「時雨さんは久しぶり。カンヌシさんは初めまして。僕は恐れ多くも勇者、なんて大層な名前で呼ばれている……牧野蓮夜だよ。よろしく」


「お、おぉ?」


 それは、日本最強とも呼び声高く、テレビなどでもよく見かける一人の冒険者。

 勇者の二つ名を持つ牧野蓮夜であった。


 ■■■■■


 祝!総合週間ランキング9位!

 総合週間ランキング10位以内到達!来たー!ここまで来れたのもいつも読んでくれている読者さんのおかげです。ありがとうございます!

 総合週間ランキング10位以内祝し、今日の23時に特別SSをサポーター限定近況ノートに投稿します!

 内容は普通の日常会にしようと思っていますが……何か、要求があれば気軽に!(これから書き始めるので)

 改めて皆さん、ありがとうございました!


 また、現在ジャンル週間ランキングは現在2位!1位まであと少し……だけど、日間がちょっと落ちてて、それでも週間ランキング一位になりたい!

 そして、目指すはやはり、総合週間ランキング一位!

 かつて異世界ファンタジーで至った総合週間ランキング一位を今度は現代ファンタジーで!

 どうか、皆さま。本小説に星を入れてくれると幸いです。下にスクロールすれば、評価ボタンがございますので、どうか。

 それと、ぜひ、文字付のレビューの方もお願いします。

 本当に些細なものでもいいです!一言でも構いません、どうかお願いします。

 

 これからも毎日更新を続けますので、どうか、よろしくお願いします!

 (えっ?あとがきが長くてうるさい?うるせぇよ、こちとら評価されるためにわざわざインターネットに投稿しているねん。評価がいらないのであれば個人で書いて見てシコる。許せ、うるさくとも)

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