何故
時雨さんに引っ越し作業を手伝ってもらった僕はその後、東京の方から神社の方へと戻ってきていた。
これ以上、向こうにいてもやることはないし、なおかつ、僕に関しては日本政府からお願いされていることも数多くある。
そろそろ、海外の状況についても着手しなければならないだろう。
「千夜」
「あれ?」
というわけで神社に戻ってきた僕のことを待ち構えていたのは甘夏でも、黄野くんでもなく、天音さんだった。
「天音さんが何でここにいるんですか?」
神社についてはある程度、甘夏と黄野くんの方に任せてある。
だから、僕を出迎えてくれるとしたら、その二人かな?なんて思っていたのに……何で東京にいるはずの天音さんがここに?
「言いたいことがあるのよ」
「言いたいこと、ですか?」
「えぇ、そうよ。でも、その前に少し確認をいいかしら?」
「どうぞ」
「私と貴方はクラスメートよね?」
「えぇ、そうですね」
「それで、学校の方ではほぼ毎日、言葉を交わしていた……そうよね?」
「……確かにそうですね」
基本的にずっと席は隣だった。
毎日のように朝、言葉を交わした。
「当然、かなり仲がいいはずでしょう?」
「そう、ですね」
とはいえ、朝に挨拶をしていただけ、と言えばしていただけだ。
そんなかなり仲がいいというほど、かなぁ……?
でも、学校以外。ここ最近は色々と協力したし、仲が良いって言ってもいいのかな……。
「でしょう?それで聞くわ。何で、私に敬語なの?」
「えっ……?」
「お姉ちゃんには敬語を使っていないわよね?それなのに、何故。私には敬語なの?私の方が先に知り合っているでしょう?確かにお姉ちゃんとは一緒に戦っている仲よ。それでも、私だってサポートはしていると思うのよ」
「え、えぇ……そうですね。いつも心から感謝しています」
「なら、敬語はいらなくないかしら?それに、私に関しては天音さん、呼びよね?誰よりも距離を感じるわ。不満よ。許されないわ」
「なぁ……」
そんなに敬語がどうとか、気にするのだろうか?
僕はただ、元の呼び方や敬語から移行するまでの流れがあまりわかっていないだけなのだが……どれくらいの親密度になれば口調を変えるんだろうね?
「……水樹。これでいい?」
なんてことを思いながら、僕は自分の口調を変える。
もう、抵抗感はなかった。
「えぇ、それでいいわ……あぁ、それと」
「んっ?」
「貴方の神社を、信じられないくらいにバズり散らかしているわよ」
「えっ……?」
「神社が開いている間は完全にパニック状態。全然捌ききれていないわよ」
「えっ……?」
「私が何でここにいるか、その疑問の答えは考え無しに行動を起こした貴方のしりぬぐいのためよ。あの二人だけじゃ神社をもう回せないわよ?……まったく、最初から私を頼めばいいものを」
「えっ……?」
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