第六章 日本動乱

みる

 見ていた。

 

 観ていた。


 看ていた。


 己の前で頭を垂れるその少年のことを。

 己のことを澄んだ瞳で見つめるその少年のことを。

 己の前で静かに笑うその少年のことを。


『あー』


 自分へと手を伸ばしてくるその少年のことを。


「なるほど。これか」


 瞬きの間。

 本当に僅かな、一瞬と言ってもいいような時間ばかり。


「───欲しいな」


 それでもなお、その少年を欲したのだ。

 

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