お風呂
神社の境内から少し離れた場所……神社が建てられている大きな山の一角。
そこには大金を使って拵えた露天風呂が広がっていた。
「……これは、随分とすげぇな」
「でしょー?」
わざわざ鎮魂祭に力を注ぎ、神社の中に露天風呂を作っていいかどうか、色々と確認をしてから作った代物だ。
大金をかけただけあって、かなりいいものになっていると思う。
「……でも、これは力入れすぎじゃね?」
「いや、日本人にとって、お風呂は大事でしょ」
「だが、お前はこのお風呂に使った金がなければもっと人間らしい生活出来ただろ」
「うぐっ」
「というか、別に水道とか引かなくとも井戸とかを掘ればいいんじゃねぇか?お風呂だって五右衛門風呂とかあれば……」
「いや、せっかくお金があったから……」
別にそれでも行けると思うよ?
というか、水道が壊れて断水したのは結構前だし、普通に井戸で頑張っていた。
でも、井戸で生活するの大変なんだよ。五右衛門風呂とか一人で管理するのは至難の業過ぎるんだよ。魔物にそんな
「お前、実は金遣い荒いんだな」
「……へへっ」
なんか、あると使いたくなってくるんだよね。
「それに、維持費も馬鹿にならないだろ、これ……これだけ大きな湯船の水をお湯にしたままの状態とする労力って半端ないんじゃないか?」
「いや、それに関しては問題ないよ。なんか知らないけど、勝手に熱くなるから」
「はっ?それは、何で?」
「……さぁ?」
別に僕が何かをしているわけじゃない。
温泉の暖かいものだけでも湧いているのかな?
「えぇ……どうなっているんだ。こわっ」
「もー、御託は良いから。早く入ろ?」
「お、おぉぉぉぉおっ!?」
僕は隣でグチグチと言っていた黄野くんの方へと手を伸ばし、そのまま強引に服を剥ぎ取り始める。
うるさい口はお風呂の中に沈めてしまえばいい。
「ウィッグは辞めろっ!?これは大丈夫な奴だから!?」
「あっ、そうなの?じゃあ、このままドボンっ!」
「うわぁぁぁ!?」
僕は容赦なく全裸に剥いた黄野くんを力任せにお風呂の中へと突っ込む。
「あぶぶっ!?」
黄野くんと僕との間には圧倒的な力量差が存在する。
必死に抵抗しようと奮起していた黄野くんはそれでも何も出来ず、容赦なくお風呂へと叩き落されて、手足をばたつかせていた。
「どう?気持ちいい?」
そんな中で、自分の全裸となっていた僕は両腕を組み、仁王立ちの姿で黄野くんの方へと言葉をかける。
「お、おう……」
「それならよかった」
その言葉を聞いて満足げに頷いた僕はそのまますぐに自分もお風呂の中に入る。
黄野くんもこの大金をかけたお風呂を気に入ってくれたみたいで良かった。
「それにしても……黄野くんって、肌すべすべだよね。触り心地良さそう」
それで、気になってくるのはお風呂の中に隠されている黄野くんの肌だった。
黄野くんの肌は、男だというのにまるで筋肉質な様子はなく、かなりすべすべであるように見えた。
僕ってば、見た目は幼い寄りではあるけど、筋肉がないわけじゃないしね……体つきは、そこまで女の子っぽくないと思う。
でも、黄野くんに関してはその体つきも女の子っぽかった。
「……へっ?」
「ちょっと拝借っ」
そんな黄野くんの体へと僕は自分の手を伸ばすのだった。
「はっ……いやぁぁぁあああああああああああ!?」
……。
……………。
『はぁ……はぁ……はぁ……千夜きゅんがぁ……ぐへへ。ショタとショタのくんずほれずだよぉ……どんどん効能足しちゃうからねぇっ』
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