忠告
僕が輝夜に向かって告げた疑問。
それに対して。
「そうっ!」
輝夜は大きな反応を見せる。
「私の神託を通して、忠告が舞い降りてきたのっ!」
「……忠告?」
そして、その次に告げられた輝夜の言葉に僕は首をかしげる。
「そう!忠告!……千夜は今、亜神になろうとしているよね?」
「……っ」
亜神。
その単語が輝夜の口から出てきた瞬間、僕は眉を顰める。
「……だったら?」
まず、輝夜が亜神を現実にいるもんであると。
そこをしっかりと把握している側の存在なのか。
底すらも疑わしい中で、僕は短く言葉を返す。
「……それを、辞めて欲しいのよ」
「えっ?」
「私も自分の神託をコントロールするために色々やってきたのよ……そして、この神託の在り方というのも何となくわかったわ」
「……うん」
「私の神託はこの私に対して、純粋な行為を寄せてくれる神々。その声を聞く力……そして、この神託の声として届けてくれるのは私に対して好意を持ってくれる人だけ。だからこそ、あの人たちが私に教えてくれる言葉にはある程度の信頼がおけるの」
「……何を、神託で言われたの?」
「千夜について。千夜が、このままじゃ危ないって話」
「……僕が危ない?」
そんな予感はしていないけど……。
「いや、危ないのは……私の方かも」
「輝夜が?」
「うん。そう。まずは単刀直入に話すね?神託が言うには、この日本において最も力を持っている神様である天之御中主神様が千夜を欲しているみたいなの。それで、口八丁手八丁を活用し、千夜を亜神にすることで自分と同じ存在にしようとしているらしいの……っ!」
「えっ?」
「つまりは!一度、亜神となれば、そのまま真なる神にまで格上げ出来るくらいには力を持っている千夜を亜神とすることで、自分の暮らす神々の世界に千夜を連れ去ってしまおうとしているのよ!」
「えぇ……?」
輝夜の口から出てきた言葉。
天之御中主神様の本当の目的───らしいもの。それを聞く僕は困惑の声を自分の口から漏らすのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます