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 なんか僕の知らぬ間に甘夏たち四人たちで秘密の会合をしていたらしい。

 神社本庁から天音家へと戻ってきた僕はこの場にあった、ありえない神様の気配。須比智邇神様の気配を感じて、首をかしげていたのだが、仔細は甘夏を中心としてはぐらかされてしまった。


「……むぅ」


「そんなことより、よっ!千夜に言わなきゃいけないことがあるのよ」


「甘夏が?」


「いや、天音家の面々が」


「んっ?」


 甘夏の言葉を受け、僕は天音さんの方に視線を向ける。


「……そうね。前に、頼んだことがあったでしょう?」


「頼んだこと……あぁ、お母さんの病を治すために新宿ダンジョンの350階層を目指すことですか?ごめんなさい……ちょっと、色々あってまだ出来ていなくて。まずはそのお母さんの病を治すところから始めますので、あとちょっと待っていてほし……」


「そのことなんだけど」


「んっ?」


「どうやら、新宿ダンジョンの方じゃ意味ないらしいのよね。350階層に行って目的のものを獲得しても、お母さんの病気を治す上では駄目らしいのよ」


「えっ!?」


 意味ないの!?えっ……それって、大丈夫なの?

 ここまでやってきて、お母さんを治すためのものが意味なかったとなるなら……。


「それで、私たちの母親を治すためのものが千夜の神社のダンジョンの方にあるらしいのよ……そうね、新しい神託で降りたの」


 うちの神社のダンジョンに病を治すもの……えっ?そんなのあったかな?

 須比智邇神様から教えてもらったんだろうから、間違っているとは思えないのだけど。


「神託がいうには千夜にお母さんの容態を見せればわかってくれるらしいわ。だから一度、私たちのお母さんに挨拶してほしいのよ」


「なるほど」


 ただの病じゃないのかも?

 呪いとか……そっち方面の、こちらの御払い案件だったりするのだろうか。


「わかりました。それでは、一度、見させてもらいます」


「お願いするわ」


「それでその後に……って、あれ?もしかして、これってまたすぐに僕の神社の方に戻っていく流れですか?」

 

「そうなるわね」


「んっ、今度は神社のダンジョンの方で二人。どんどん潜っていく。また一から」


「……あー、なるほど」


 ふむふむ。

 これから神社に戻っていく……となると、だ。


「……黄野くんにもう神社を任せた後なのに?」


 黄野くんに頼んでいたことはもう必要、なくなってしまうのかな?

 もしかすると。


「えぇ、そうなるわ」


「……そうですが」


 黄野くん、めちゃくちゃ張り切ってくれていたから、ちょっと申し訳ないな……。

 キラキラと輝く黄野くんの瞳を思い出す僕はちょっとだけ、げんなりとした気持ちを抱いた。

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